[YAMAHA]MotoGP Rd.16 J・ロレンソが優勝、V・ロッシが3位

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが優勝。チームメイトのV・ロッシも3位とふたり揃って表彰台に上った。モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ4位と6位でゴールした。

昨日までに明らかになったタイヤの耐久性の問題。ブリヂストンがリアタイヤの安全性を保証できるのは10ラップまでと結論したことから、決勝は10ラップ目でマシンを交換、さらに合計周回数を19ラップに短縮して行われることとなった。

ロレンソはポールポジションから好スタートで飛び出し序盤からリード。すぐ後ろにはD・ペドロサとM・マルケスのホンダ勢がピタリとつける。序盤から容赦なくペースを上げるロレンソだが、後続を引き離すことはできず、ライバルたちはコンマ5秒差を保ったままピットストップのタイミングを計る。9周を終えてペドロサがいち早くピットインしてマシン交換。10周目を終えてロレンソもピットインしてマシン交換し、素早くコースに復帰する。マルケスはさらに1ラップ走ってからようやくピットに戻ったため、マシン交換の規定周回数をオーバーしたとしてマルケスに対し失格を示す黒旗が提示されて戦線離脱。

ハプニングはこれだけではなかった。ロレンソがハイスピードでストレートを駆け下りてきたところに、マシン交換を終えたマルケスがピットアウト。ふたりが第1コーナー進入で接触するアクシデントが起こった。運よくいずれも転倒を免れてレースは続行され、その後は、ロレンソが安定した速さで首位を守り、ペドロサをさらに引き離しトップでゴール。これでランキング首位のマルケスとロレンソのポイント差は18点になった。

表彰台を狙う3番手争いは、ロッシとクラッチローの激しいバトルだった。予選3番手フロントロウ発進のロッシは、序盤6番手まで後退するシーンもみせたが、着実に挽回。ロッシは、素早いピットストップを成功させて他の2台を抑え、終盤はクラッチローとの接戦を制し3位表彰台に登った。

昨年に続いて表彰台獲得を狙っていたクラッチロー。10ラップ目でピットインし、再スタート後もロッシ、バウティスタと3位争いを展開したが、ロッシにコンマ1秒届かず4位。一方のスミスは、絶好のスタートを切って一気に4位に浮上。ロレンソ、マルケス、ペドロサのスペイン人トリオのすぐ後ろにつけた。ロッシ、クラッチロー、バウティスタ(ホンダ)に先行されたあとは、ピットインを1ラップ早めの9ラップ目に変更する作戦を採り、最終的には6位でチェッカーを受けた。スミスはこれで、シリーズポイントでエスパロガロに11ポイント差をつけ、ランキング10位獲得へ希望をつないだ。またふたりの活躍により、モンスター・ヤマハ・テック3チームは、チームランキング3位へまた一歩、近づいた。

コメント
◆J・ロレンソ(優勝)

「今日の勝利は本当にうれしいよ!マルクがミスをしたことも僕らにとってはラッキーだった。もしそうでなければ、今日の彼の絶好調からすれば優勝か2位だっただろうから。そういう意味で運も味方してくれたということなんだけど、僕のほうもシーズン中盤に不運なことがあったわけだから、これで帳消しだね。僕が第1コーナーに突入しようというところで、マルクがちょうどピットアウトしてきた。タイミングがぴったり過ぎて、回避するのはほとんど不可能だったんだ。ラインを開けるためにブレーキングを少し遅らせたけれど、彼はコーナー進入であまりよく見ていなかったと思う。だからふたりとも悪かったんだ。今日の優勝で、チャンピオンシップの行方にふたつの可能性が出てきたと思う。ひとつは、マルクが今後もコンスタントに表彰台に上る。そうすれば僕にチャンスはない。でもそうでないとしたら、周回数はまだたくさん残っているのだから他の可能性だって考えられるだろう。26歳の僕が、グランプリで50勝目を達成することができたことは自分でもまだ信じられない。2003年のブラジルで初優勝したのが、つい昨日のことのように思えるんだ。でも実際にはもう10年も経ったんだね。この記録を誇りに思う。そしてこれからまた勝利を重ねていきたい」

◆V・ロッシ(3位)

「最終的に、とても良い結果を得ることができた。大好きなフィリップ・アイランド、この素晴らしい雰囲気のなかで表彰台に上ることができて最高にうれしいよ! スリル満点のレースだったけれど、全力を尽くして楽しんで走ることができた。そしてチームのみんなのおかげでピットストップの作業がスムースに運び、ポジションを上げることができたんだ。カルとのバトルは激しかったよ。表彰台争いだと実感したから最大限の力を振り絞った。最終ラップの途中から雨が降り出して怖い思いをしたけれど、幸いひどくならずに最後まで走り切って好結果を得た。次のレースでもこの好調をキープできるよう、さらに改良を続けたい」

◆W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー

「完璧だ。このところ厳しい状況が続いていたので、ここでの勝利は我々の夢だったのだ。しかもマルクがミスをしたことで、チャンピオンシップにもわずかな光が見えてきた。40ポイント近い差があったわけだが、それが18ポイントとなれば話はまったく違ってくる。心から喜んでいる」

◆M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター

「素晴らしいレースだった。ホルヘはひとつのミスもなく、オープニングから最終ラップまでハードにプッシュし続けてリードをキープした。フラッグ・トゥ・フラッグをいずれもドライ・コンディションでできたことも良かった。その結果として、ポイント上も大きく差を縮めることができた。マルケスとの差は18ポイントとなり、チャンピオンシップの可能性が大きく広がったと言える。次のもてぎに照準を合わせ、好調をキープしてポイント差をさらに縮めたい。バレンティーノも見事だった。ダブル表彰台はヤマハにとって最高の結果だ。決勝スタート前はグリップの問題を危惧していたが、結果はこのようなものになった」

◆C・クラッチロー(4位)

「表彰台を逃したことは残念。それに、ここまで来ることができたのも、マルクのミスがあったからなんだ…。でも、自分の走りには満足できたので気分はハッピー。問題は、今日もまたスタートで出遅れてしまったこと。好スタートのためにいろいろ取り組んできたのに、またやってしまったなんてね…。逆に良かったことは、最後まで安定性をキープすることができたこと。昨日までのタイヤの問題を考えれば、思っていたよりもずっと速いペースで走ることができた。ファクトリー・ヤマハのバレンティーノにここまで近づけたのはうれしかったし、バトルをエンジョイすることもできた。バレンティーノやアルバロとのバトルは、とても激しかったけれど本当にフェアな戦い。ストレートでバレンティーノのすぐそばまで近づいていたので、ピットボードを見る余裕がなくて、実は、あと1ラップ残っていると勘違いしていたほどだったんだ。もちろん表彰台に上りたかったけれど、4位はこのところの最高位。残りの2戦はもっと上を目指したい」

◆B・スミス(6位)

「6位は十分な好成績。それに今回もまた好スタートを切れたこともうれしかった。1ラップ目で上位に上がると、経験豊富なライダーたちからたくさんのことを学ぶことができるからね。マシンのセッティング自体はトップ6を狙えるほどのところまで煮詰まっていなかったと思うけれど、そのなかでも最高のものを引き出せるように最善を尽くした。最初の走行でリアタイヤを消耗してしまったので、2度目は同じ失敗を繰り返さないよう着実な走りを心がけた。タイヤの耐久性をめぐって様々なドラマや混乱があって、大変なウイークになってしまったけれど、モンスター・ヤマハ・テック3チームのメカニックたちは常に冷静だった。ずっと集中を切らさず支え続けてくれた彼らに、この6位獲得で少しでも報いることができたと思う」

◆H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム・チームマネジャー

「タイヤの耐久性の問題に関連して、このような決定が下されたことは正しい判断だったと思う。モトGPは、どんなに困難な状況にも責任を持って迅速に対処し、しかもファンを喜ばせるための素晴らしいエンターテインメントを提供し続けることができる。そのことを証明できたと思う。カルとブラッドリーは本当に見事だった。ブラッドリーのスタートは絶品。そして最後まで力強く走り続けた。彼が世界のトップライダーたちに食らいついて行くのを見るのは最高の気分だ。そしてカルのほうも、バレンティーノやアルバロとバトルを繰り広げ、ファンに素晴らしいショーを見せた。実際、非常に厳しい戦いで、残念ながらトップに立つことはできなかったが、このように複雑で混乱した状況のなかでここまで頑張ってくれたチームのみんなを誇りに思う。次は日本。ヤマハにとってとても重要な一戦だ。カルとブラッドリーがもう一度、上位で戦うのを見ることができたら最高だ」

◆津谷晃司、MS開発部 モトGPプロジェクトリーダー

「今週は我々にとっても非常にタフなウィークになりました。全面改修された路面は非常にグリップが良く、昨年よりも深いバンク角でさらに大きな駆動力を掛けられるようになり、リヤタイヤへの負荷はかなり増加しました。昨年から排気量が1,000ccとなり大きく高出力化したエンジンに対して、その余り有るパワーをいかに路面へ効率良く伝えるかを各メーカーが一年中考えているわけですから、そんな高性能バイクと高摩擦係数の路面に挟まれたタイヤは想定以上に厳しい条件だったのだと思います。今回は特殊なルールとなったレースでしたが、限界性能を引き出すためにほんとうにギリギリのところまで最大限の調整をしたスタッフ達の努力と、それに応えられる最高のポテンシャルを持ったライダー達とマシンの総合力で素晴らしい結果を得ることができたことを誇りに思います。今シーズンも残り2戦となりましたが、応援して頂いている全世界のファンの方々と喜びを分かち合うためにも、我々は可能性がある限り決してチャンピオンシップを諦めず戦っていきますので、最後の一瞬までご声援の程よろしくお願いします」

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