[HONDA]JMX Rd.9 決勝 Hondaが、IAおよびIBの各2クラスでチャンピオンに! 最高峰のIA1では、成田亮が逆転で王座防衛!

全日本モトクロス選手権の最終戦となる、第51回MFJ-GPモトクロス大会が、例年と同じく宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。

今季第4戦でも使用されたこのコースは、丘の斜面を使ったダイナミックなハイスピードレイアウトを特徴としています。決勝日の天候は雨で、お昼前からは強く降り続き、路面はかなりひどいマディコンディションに。各クラスで転倒者やスタック車両が続出しました。

最高峰クラスのIA1では、TEAM HRCの小方誠がトップと5ポイント差のランキング2位、チームメートの成田亮が同12ポイント差の4位から、逆転チャンピオンを狙いました。

またIA2では、T.E.SPORTの富田俊樹がランキングトップ、TEAM YOU SPORTの山本鯨が富田と19ポイント差のランキング3位で、今大会を迎えました。なお、IB2とIBオープンではT.E.SPORTの大塚豪太が、ダブルタイトルを獲得しています。

●IA1(450/250)ヒート1

1周目をトップでクリアしたのは熱田孝高(スズキ)。平田優(ヤマハ)、成田、スポット参戦したモトクロス世界選手権のHondaワークスチーム、Honda World Motocross Teamに所属するマキシミリアン・ナグルとイブジェニー・バブリシェフが、これに続きました。小方はやや出遅れて9番手。2周目、平田を抜いた成田はトップの熱田に迫りました。数周にわたり、チャンスをうかがった成田は、レースが中盤に入ろうかというところでトップへと浮上。ナグルとバブリシェフがこれに続くと、すぐに成田をパスして、ナグル、バブリシェフ、成田のHondaトップ3を形成。小方も6番手までポジションアップを果たしました。

レース後半、ナグルとバブリシェフは成田を大きく引き離し、成田は単独3番手。小方は熱田を抜いて5番手に浮上しました。そして、ナグルがトップ、バブリシェフが2位、成田が3位でゴール。Honda勢が表彰台を独占しました。これで小方は5位でフィニッシュしました。小方、小島庸平(スズキ)、成田、平田が4ポイント差でひしめきあって、ヒート2を迎えることになりました。

●IA1(450/250)ヒート2

スタート直後の2コーナーでバブリシェフがクラッシュ。最後尾で再スタートしたバブリシェフは、2周を走ってリタイアしました。オープニングラップをトップでクリアしたのは成田。これに小方が続き、2周目にはナグルも3番手にポジションを上げて、再びHonda勢がトップ3独占態勢を築きました。レース序盤、成田は小方を引き離していきました。

一方の小方は、大雨によりヘビーマディとなったコースにやや苦戦するナグルを抑えて2番手をキープ。しかしレースが後半に入ったところで、痛恨の転倒を喫して4番手まで順位を下げました。するとその次周、今度は成田が転倒。これでナグルがトップに浮上しました。

レース終盤、さらに転倒を重ねた成田は、熱田に抜かれて3番手にポジションダウン。しかしその後、すぐに熱田も転倒し、ラスト2周の段階でナグル、成田、小方、新井宏彰(カワサキ)の順となりました。このままでゴールすれば、小方がチャンピオンに。しかし小方は新井に抜かれ、ナグル、成田、新井、小方の順でチェッカーとなりました。その結果、成田がチャンピオン、小方がランキング2位となりました。

●IA2(250/125)ヒート1

富田、山本、竹中純矢(カワサキ)、岡野聖(スズキ)、田中雅己(TEAM HRC)の順で1周目をクリア。2周目に竹中、3周目に岡野が順位を下げ、序盤は富田、山本、田中のHonda勢が上位を独占しました。レースが中盤に入ったところで、山本が富田を抜いてトップに浮上。さらに田中も富田をパスし、田中が2番手、富田が3番手となりました。

レースが後半に入ると、序盤はややリズムがつかめずにいた富田がペースを取り戻し、田中を再逆転して2番手にポジションアップ。終盤には、一時は独走状態だった山本との差を縮めました。しかし順位は変わらず、山本が勝利し、富田が2位。田中は竹中に抜かれて4位となりました。この結果、富田が347ポイント、竹中が339ポイント、山本が331ポイントで、ヒート2に臨むことになりました。

●IA2(250/125)ヒート2

スポット参戦したグレイム・アーウィン(スズキ)がトップ、山本が2番手、富田が3番手で1周目をクリア。レース序盤、上位3台はそれぞれ単独走行となり、山本はアーウィンに20秒近く引き離されながらも2番手、富田は山本から7秒ほど遅れた3番手をキープしました。タイトル争いで富田と山本のライバルとなっていた竹中は、マシントラブルによりリタイアしました。

これにより富田は、山本が優勝しても11位以内に入ればチャンピオンになれることから、堅実な走りにシフト。一方で山本は、攻めの姿勢を貫きました。するとレース終盤、アーウィンが転倒により後退。これで山本がトップ、須田純(カワサキ)の先行を許した富田が3番手となり、そのままの順位でレースが終了。これにより、富田がチャンピオン、山本がランキング2位となりました。

コメント
◆成田亮(IA1・3位/2位)
「予選で小島選手が負傷したことから、自分にもタイトル獲得の可能性が出てきたと思いました。しかしそれを意識しだしたことは、走りにはむしろマイナスに働きました。身体の動きが固くなったり、ヒート2でもポイントのことを考えた瞬間に転んだりしましたから。ヒート2の最終ラップで、小方選手と自分との間に緑色のマシンが入っていることは分かりましたが、雨で全員がドロドロでしたから、それが同一周回の選手かどうかまでは判断できませんでした。ゴールしてからチャンピオンだと分かり、思わず泥の地面に倒れ込んで泣いてしまいました。シーズン中盤に調子を落とし、切り替えようと思った第5戦北海道大会ヒート2で転倒ノーポイントに終わったときが、思い返せば最も苦しかったです。正直、心が折れかけました。その状況から立ち直って獲得したタイトルなので、本当にうれしいです」

◆小方誠(IA1・5位/4位)
「ヒート1は、スタート直後に前を走っていた成田選手と接触しかけて、そこでアクセルを戻したことで遅れてしまいました。追い上げそのものはまずまず順調だったと思いますが、序盤に上位勢が逃げてしまっていたのが悔やまれます。ヒート2は、スタートを決めることができ、とにかく攻めて走っていこうと思いました。その後も精一杯走ったのですが、過酷なコンディションでマシンの状態も限界に近く、あと1つ上のポジションでゴールすることができませんでした。今年は、昨年までと比べれば飛躍できたと思います。トップ争いを続けられたことで、自信にもなりました。しかし結果的には、1ポイント差でチャンピオンを逃すということになり、悔しくてたまりません。本当なら、まずはゆっくり休みたいと思うのかもしれませんが、すでに自分の気持ちは来年に向かっています」

◆マキシミリアン・ナグル(IA1・優勝/優勝)
「今回はこのレースへの参戦とマシンテストのために来日しました。決勝は、とにかくタフなコンディションでした。雨で濡れたコースは、想像以上に滑りやすく、粘りのある泥がマシンを重くしたので、正直とても疲れました。2週間ほどマシンに乗っていなかったので、いつもより腕上がりもひどかったです。ヒート2では、周回遅れの処理に手間取って2度ストップしましたが、それでも両ヒートを制覇できたので、本当にうれしく思っています。同じHondaチームの2人がタイトル争いの渦中にいたので、その間に入ってしまい混乱させないよう気をつけていました。つまり僕たちは、とにかく今日のレースに勝つことだけがターゲットでした。チャンピオンとなった成田選手には、おめでとうと言いたいです」

◆イブジェニー・バブリシェフ(IA1・2位/リタイア)
「9月末のモトクロス・オブ・ネイションズでろっ骨を痛めてしまい、満足にトレーニングができていなかったので、体調が万全だったわけではないですが、それでもレースは楽しめました。ヒート2では、スタート直後にクラッシュしてしまい、ろっ骨がまた痛みだしたので、リタイアすることにしました。SUGOはレイアウトもよくて好きなコースの1つですが、決勝は雨のせいでとても難しいコンディションになってしまいました。そのような中で、Hondaの成田選手がシリーズタイトルを獲得したことは、喜ばしいことですね。タイトル争いがとても僅差だったことはもちろん知っていましたが、自分たちはあくまで優勝することだけに集中していました。それだけに、今日の自分の結果は、残念に思っています」

◆井本敬介|TEAM HRC監督
「IA1のポイントランキングで、念願の1-2を決めることができました。まさかこのような結果が待っているとは思っていなかったので、正直なところ驚いています。一年の集大成となるよう、全員がベストを尽くすという意識のもとで臨んだ結果だと思います。今大会には世界選手権のライダーを呼びましたが、彼らにもチームオーダーなどは一切指示しませんでした。余計なことを考えると、だいたい物事はうまくいかないですし、世界の走りを観客の皆さまに楽しんでいただくということも、参戦目的の1つでしたから。そして、そんな海外勢に食らいついていこうという成田と小方の意識と走りが、成田のタイトル防衛、小方のランキング2位という結果を生み出したとも考えています。同時に、応援してくださった皆さまのおかげでもあるので、とても感謝しています」

◆山本鯨(IA2・優勝/優勝)
「前大会終了時にランキングトップだった富田選手とは19ポイント差で、自力でチャンピオンになれる可能性がない中での大会だったので、とにかく全力で勝ちにいくことしか考えていませんでした。それが達成できたことはうれしいです。とくにヒート1は、ランキング上位3名によるバトルで勝ちましたから。シーズンを通して考えたら、北海道大会での不運なアクシデントによるケガで、苦しい立場になってしまったというのが、チャンピオンになれなかった最大の要因かもしれません。しかし自分の中では、それでも第7戦ヒート1を9位で終える情けない走りさえしなければ、タイトルが獲得できたかもしれないという思いも強く、今は悔しさと達成感が入り混じっています」

◆富田俊樹(IA2・2位/3位)
「想像していたよりはリラックスして臨むことができました。ヒート1の序盤は、リズムがつかめずに苦戦しましたが、とにかくチャンピオンのことは忘れるよう自分に言い聞かせて走り、持ち直すことができました。ヒート2は、路面状況がかなり悪かったので、逆にスタートで前に出られれば大丈夫と思っていました。序盤で竹中選手がストップしているのが見えたので、その後はマシンを壊すことなくゴールに運ぶことに集中しました。本当は、最終戦で勝利してチャンピオンになれたらカッコよかったと思いますが、山本選手も速かったですし、この結果にはもちろん満足しています。もうIA7年目なので、ようやくチャンピオンになれた、という気持ちですが、今年は速い若手もどんどん登場してくる中で、自分も成長できたと思います」

◆田中雅己(IA2・4位/15位)
「ヒート1は、1周目に順位を落としてしまいましたが、その後はリズムを取り戻すことができました。雨が強くなってから、ライン選択がうまくいかずに再び順位を下げましたが、久しぶりにレースらしいレースができたと思います。ヒート2は、1周目に転倒して出遅れ、その後も転倒を重ねてしまいました。今季は、いくらなんでも悪すぎるという走りが多くなってしまいました。すべてがハマったときだけ速いのではなく、悪いときでも最低限の走りをして結果を残せなくてはダメだと、痛感させられました。マシンは非常によかったのですが、自分の身体がそれに対応しきれなかったという印象です。チームメートの成田選手みたいに、晴れでも雨でも速く、強さのあるライダーになりたいです」

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