[HONDA]JMX Rd.8 決勝 成田亮がIA1の両ヒートで勝利。ヒート2ではTEAM HRCが1-2フィニッシュ

今季の全日本モトクロス選手権は、いよいよ残すところ2大会。第8戦関東大会が、今季第2戦でも使用された埼玉県のウエストポイント、オフロードヴィレッジで開催されました。荒川と入間川に挟まれた河川敷の平地に設けられたコースは、春とはレイアウトが異なり、よりハイスピードかつジャンプが多い設定とされました。土曜日に雨が降り、予選は完全なマディコンディション。決勝は曇りときどき晴れの天候でしたが、路面は完全回復には至らず、ほぼ全レースがマディに近い状態で行われました。最高峰クラスのIA1では、TEAM HRCの小方誠がトップと6ポイント差のランキング2位、チームメートの成田亮が同30ポイント差の4位で今大会に挑みました。またIA2では、T.E.SPORTの富田俊樹がランキングトップ、TEAM YOU SPORTの山本鯨が富田と21ポイント差のランキング3位で、今大会を迎えました。

●IA1(450/250)ヒート1

前大会ヒート1で最高峰クラス初優勝を挙げた星野優位(SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)と、成田が好スタートを切り、1コーナーに先頭で進入。しかし、そのあとに抜かれ、成田が4番手、星野が6番手で1周目をクリアしました。小方は1コーナーの立ち上がり付近で転倒し、大きく出遅れました。

レース序盤、熱田孝高(スズキ)、成田、小島庸平(スズキ)、星野がトップ集団を形成。中盤になって、一時は後続を引き離しかけた成田は、熱田の接近を許しました。しかし、その熱田は、レース後半に転倒して4番手に後退。これで星野は3番手に順位を上げました。

終盤、小島が小さなミスを重ねた間に成田はリードを広げ、星野は小島の背後に接近。残り数周で、星野は逆転を狙いました。しかし最後まで順位は変わらず、まず成田が余裕の単独走行で優勝のチェッカーを受け、それから約8秒遅れの小島に続き、星野が3位でゴールしました。小方は、10位まで追い上げてフィニッシュしました。

●IA1(450/250)ヒート2

成田が1周目をトップでクリア。熱田、小島、深谷広一(TEAM.MOTO.SPORTS.FUKAYA)、増田一将(Team CRF&Kazu Racing Project)、新井宏彰(カワサキ)、小方、星野が続きました。2周目、深谷がポジションダウン。4周目には小島が転倒し、これに増田が接触。上位勢は成田、熱田、新井、小方、平田優(ヤマハ)、星野、増田の順となりました。

レース中盤、小方は新井と熱田を次々にパスして2番手に浮上。9秒ほど前を走る成田を追いました。また、熱田は徐々に後退し、これによって星野が5番手に浮上。しかし星野は、レースが後半を迎えるころに転倒を喫し、9番手まで順位を下げてしまいました。

レース後半、成田と小方は周回ごとに少しずつ差を伸び縮みさせながら、Hondaの1-2態勢を継続。そして終盤には、小方が差を詰めました。しかし最終ラップで成田がスパートし、約5秒差をつけて再び勝利。小方は2位となりました。今大会の結果、小島、小方、平田、成田の4名がわずか12ポイント差の中にひしめき合って、最終戦を迎えることになりました。

●IA2(250/125)ヒート1

能塚智寛(カワサキ)、富田俊樹、山本鯨、渡辺祐介(ヤマハ)、近藤祐介(TEAM HAMMER ホンダ学園)、竹中純矢(カワサキ)、田中雅己(TEAM HRC)の順で1周目をクリア。レース序盤、能塚の転倒により富田がトップに立ち、これを山本と竹中が追う展開となりました。そしてレースが中盤に入ったところで、山本が富田を抜いてトップに浮上しました。

抜かれた富田は竹中とともに山本のマークを続け、レースが残り10分を切った10周目の段階で再逆転に成功。逆に山本は、その2周後に竹中にもパスされ、3番手に後退してしまいました。ラスト2周となった14周目、富田も竹中に抜かれて2番手へと後退。しかし、ラストラップで富田と山本が竹中を抜き、富田が優勝、山本が2位となりました。田中は、転倒が響いて8位に終わりました。

●IA2(250/125)ヒート2

ホールショットを奪った富田をすぐに山本らが抜き、1周目を山本、竹中、富田がトップ3を形成した状態でクリアします。2周目、富田が転倒してトップグループから遅れ、この背後に馬場大貴(TEAM 887)、さらに少し間隔をあけて村上洸太(渡辺私塾Moty`sヴァンサンク)が続きました。レース序盤、上位5台はそれぞれが少しずつリードを広げ、単独走行となっていきました。

レース中盤から後半にかけ、トップを走る山本は2番手の竹中と約7秒のリードを確保。そのままトップでチェッカーを受け、今季5勝目を挙げました。2位の竹中に続き、富田は単独の3位でゴール。4位に馬場、5位には最終ラップで逆転した佐藤亮(N.R.T.)、6位には村上、7位には近藤と、Honda勢が続きました。田中は、2周目にスタックして最後尾付近から追い上げ、17位でゴールしました。

コメント
◆成田亮(IA1・優勝/優勝)
「ヒート1は、スタートで前に出た者が勝つというようなコンディションでした。僕は、ほぼトップで1コーナーに進入できたのですが、その直後に横から来たライダーがはねた泥を浴び、前が見えなくなった間に抜かれてしまいました。ところが、ラインになっていない、ぬかるんだ部分に、走りやすい場所が意外とあることが分かり、これを使って、うまくトップに立つことができました。ヒート2は、途中から2番手を走るチームメートの小方選手とのタイム差をサインボードで確認して、小方選手のほうがいいペースで走っている印象を受け、ちょっと焦りました。転ばないようにと考えたことから、かえってペースが上がらなくなりましたが、勝ててホッとしています。最終戦は、外国人ライダーが2人出場する予定ですが、彼らに勝ってシーズンを終えたいです」

◆小方誠(IA1・10位/2位)
「ヒート1は、スタート直後の1コーナーで後続に追突され、コースイン側の泥が深くたまったところで転倒。さらに別のマシンも転倒し、これと絡まってしまったことから、復帰に時間がかかってしまいました。これで全身とマシンが泥だらけになり、シートもグローブも滑りやすい状態で、精一杯の走りを続けましたが、10位がやっとでした。ヒート2は、序盤からトップを走る成田選手の姿が見えていたので、2番手に浮上した時には追いつけると思ったのですが、逆に引き離されてしまう周も多く、あと一歩、詰めきれないまま終わってしまいました。タイトル争いはかなりの混戦ですが、僕は開幕前からの積み重ねで調子のいい状態をキープしているので、最終戦もいつも通りの走りを心がけ、シーズンを最高の形で締めくくりたいと思います」

◆星野優位(IA1・3位/9位)
「ヒート1は、スタートそのものはよかったのですが、1コーナーでアウトに膨らんでしまい、そのあとに転倒もあったのですが、追い上げて表彰台に上がることができました。しかし、前大会で初優勝できていたので、正直なところ、うれしい気持ちは少なく、悔しさが残るレースでした。ヒート2は、途中の転倒が響いて9位でした。とはいえ、走りの手応えという意味では、今大会のほうが前回よりずっとあり、最終戦に向けて、さらなる自信につながりました。今大会は、両ヒートを6位以内の入賞でまとめるという目標もあったのですが、これが達成できなかったので、最終戦の課題にしたいと思います。メンタル面でも、ランキング上位の選手に対してヘンに焦る感じもなくなりましたし、自分でもここ2戦で大きく成長できたと思います」

◆井本敬介|TEAM HRC監督
「IA1では、Hondaの関係者が多く応援に訪れるこの関東大会で、両ヒート制覇、そしてヒート2では1-2フィニッシュを達成することができました。夏のインターバルでしっかり立て直し、前戦ヒート2から3連勝を達成した成田には、さすがだと感心しました。最終戦でも、ランキングのことなど考えず、迷わず勝利のみを目指してほしいと思います。小方は、ヒート1での不運もあり、ランキングトップに立って最終戦に挑むという目標は達成できませんでしたが、トップとの差はわずか5ポイント。逆転を信じて、残り1大会で実力を出しきってくれることを望んでいます。IA2の田中は、予選では我々が期待する走りを見せてくれました。路面コンディションが変わった決勝では、下位に沈みましたが、これは成長過程の中で、まだ至らない点が出た結果だと思います。最終戦で、飛躍した姿をみせてくれることを願っています」

◆山本鯨(IA2・2位/優勝)
「前大会は不調に終わりましたが、自分の問題にせよ、セッティングの方向性にせよ、その原因が分かったので、今回でしっかり立て直すことができました。地元大会ということで、心に余裕があったことも大きかったと思います。そのわりにヒート1は、うまくいかなかった部分もあり、優勝を逃しましたが、走りは悪くなかったと思います。ヒート2は、狙い通りの展開で逃げきることができました。最終戦は、この大会で勝利を競い合った富田選手や竹中選手と、シリーズタイトル獲得を争うことになります。19ポイント差ありますが、最後まであきらめるつもりはありません。気負うことなく走って、両ヒート優勝を狙い、あとは結果を天に任せます」

◆富田俊樹(IA2・優勝/3位)
「予選日の練習走行で転倒し、その際にヒザをケガした影響で予選をリタイアしましたが、シード枠を使って決勝に進出することができました。予選日の夜にハリ治療などで症状が緩和されましたので、トレーナーや先生には本当に感謝しています。日曜日の朝の練習走行では、今回から乗る14年型CRF250Rの性能にも助けられてタイムもよく、決勝も大丈夫と信じて臨んだところ、シード選手に与えられる決勝のグリッドが、最もイン側というラッキーもあり、両ヒートともスタートで前に出て、好成績を残すことができました。ランキングトップで最終戦を迎えますが、ポイントのことはあまり意識しすぎることなく、レースに勝つという気持ちで挑みたいと思います」

◆田中雅己(IA2・8位/17位)
「最低限のことすらできない決勝レースとなってしまいました。予選レースでは、身体の動きから走りの組み立てまで、すべてイメージ通りにでき、今年一番という走りを披露できました。その結果、予選はトップでしたが、雨が上がって土が重くなり、落ち着いて淡々と走らなければならないコンディションとなった決勝で、ミスを連発してしまいました。ヒート1は計3回転び、ヒート2は序盤にスタック、ラスト1周で大転倒しました。予選のような走りができるということは、自分にスピードがないということではないと思います。気持ち一つで結果は大きく変わると思うので、メンタルのコントロールに集中して、最終戦に、この悔しさをぶつけていきたいです」

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