[SUZUKI]WEC ル・マン24時間耐久 SERTが4年連続、通算13回目のシリーズタイトル獲得!

9月21〜22日、世界耐久選手権シリーズ最終戦となるル・マン24時間耐久レースがフランスで開催され、SERT(スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム)のヴァンサン・フィリップ、ジュリアン・ダコスタとアレックス・キュドリンの3ライダーは、GSX-R1000と共に波乱含みの壮絶なレースを展開、最後はクラス12位、総合26位で見事なフィニッシュを遂げて4年連続、通算13回目となるFIM世界耐久選手権シリーズチャンピオンを獲得した。土曜の夜にはクラッシュや冷却系トラブルによるエンジン修理など想定外のアクシデントに見舞われ、一時は最後尾からの追撃を余儀なくされながら、猛烈な追い上げからの劇的なタイトル獲得。ポイントランキング2位となったYAMAHA GMT 94とは、わずか5ポイントの僅差だった。

スーパーストッククラスにおいてもスズキGSX-R1000が目覚ましい活躍を見せ、勝利に輝いた。Team Motors Events April Motoが同じくスズキのJunior Team LMSを押さえ優勝、共にほぼスタンダードマシンながら総合でも5位と6位に食い込む大健闘でGSX-R1000のポテンシャルの高さを証明、これによりMotors Eventsは2013FIMスーパーストッククラスタイトルを獲得した。さらにTycoスズキのTTライダー ガイ・マーティンを擁するTeam R2CLが総合2位のポディウムに上がり、GSX-R1000の強さを存分にアピールした大会となった。ランキングでTeam R2CLは4位。3位との差はわずか3ポイントだった。

SERTのタイトル獲得は連続4年、通算13回目となった。このうちGSX-R1000での優勝は8回、さらに過去にはGSX-R750に始まり、1983年にはGS1000で4回のチャンピオンに輝いている。今大会でもSERTは、木曜と金曜のクオリファイセッションから順調にトップタイムを叩き出して他チームを圧倒、レギュラーメンバーのアンソニー・デルハールがプラクティスで転倒し、足と鎖骨の骨折で急遽代役ライダーを立てるという慌しさの中、チームの結束力でタイトルを死守した。

SERTはスタート後のレース初盤は順調だったものの、その後ヴァンサン・フィリップがダンロップ・シケイン上に流れたオイルによりクラッシュ。それほど深刻な転倒ではないように見えたが、エンジンに異常を感じたフィリップが8回に渡りピットインを繰り返した。この状況に監督のドミニク・メリアンは、1時間以内にエンジンのリビルドをおこない冷却システムを修理するようピットクルーに指示を出す。かなり大胆な決断ながら、結果的にはこれが非常に的確な措置だった。短くはないピット作業のためSERTは54位まで順位を落とすこととなったが、その後完璧にリビルドされたマシンにジュリアン・ダコスタがライド、ディフェンディングチャンピオンの走りを取り戻したSERTは再び好ラップタイムを重ねながら、その後はピットストップ回数とピットイン時間を必要最小限に抑えながら、着実に順位を上げていった。

同様に他の有力チームもまた、大小のアクシデントと無縁ではなかった。今大会優勝のSRC Kawasakiもトップバトルに苦しみ、さらにタイトル獲得のチャンスを狙っていたMonster Energy YART、レース中盤はトップも走ったBMW Motorrad Franceが相次いでリタイアに見舞われる。GMT94も初盤ではトップを奪ったものの、エースライダーD・チェカが、フィリップが転倒したのと同じコーナーで犠牲となり順位を落とした。さらに深刻だったのはHonda TT LegendsのM・ラッター、J・マクギネスの代替ライダーM・ダンロップ、S・アンドリューの3名で、一時は3番手まで順位を上げながら、ナイトレースに入ったところでライダーのアンドリューがハイスピードから5台のクラッシュに巻き込まれ、足を2箇所と肋骨を骨折、肺の破裂、脊椎損傷の大怪我を負い、マシンは大破し、リタイアとなった。

スーパーストッククラスにもまた数々のドラマがあった。全大会までポイントリーダーのPenz13.com Franks Autowelt BMWは192ラップでリタイア、これによりTeam Motors Events April Motoのグレゴリー・ファスル、マイケル・サヴァリ、クロ−ド・ルーカスの3ライダーにクラス優勝のチャンスが巡り、同じくスズキのJunior Team LMSの3ライダー、バプティスト・ギテット、エトニー・マッソン、ギローム・デ−トリッヒがクラス2位に輝いた。

長い間SERTで活躍するフィリップだが、今回はフィニッシュライダーの役目をデルハールの代役キュドリンに託した。「信じられないほどクレイジーなレース内容になったが、最終的にチームにとっては良い結果となった。レース初盤でのクラッシュは本当に申し訳なかったが、見事にマシンを復活させてくれたチームに心から感謝している。ブレーキミスからの軽いクラッシュだったが、クランクケースが割れてラジエータ液が漏れ、エンジンが過熱してシリンダーヘッドガスケット破損の大トラブルになってしまった。修理に1時間以上ロスしたが、絶対に直ると信じるしかなかった。けれど、トップバトルから離れてのレースは、やはり辛かった。」とフィリップは語った。

監督のドミニク・メリアンもまた悔しさを隠せない。「絶対にここで優勝してタイトルを取りたかったので、今回は大変悔しい。私は1969年の耐久レース以来、どんな時も決して諦めてはならないことを学んできだが、今日のチームクルーは本当によくやってくれた。シリンダーヘッド修理のためにはエンジンを降ろさなくてはならないと私が言った時点で、果たして本当に直るかどうか確証はなかったのに、誰一人異議を唱える者はいなかった。実に20時間以上分の作業をおこなった!」

総合2位でランキング4位となったTeam R2CLのガイ・マーティンは、チームのディラン・ブイソン、グエン・ギャバニと共に走り終え、「とにかく最高に嬉しい!決して自分1人だけの力ではなく、チーム全員が一丸となって成し遂げた結果。まさに伝説的なチームだ。」と喜びを語った。

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