[HONDA]JMX Rd.7 決勝 IA1では、ヒート1で星野優位が初優勝、ヒート2で成田亮が復活勝利

年間全9大会で開催される全日本モトクロス選手権は、約2カ月に及んだサマーブレイクが明け、いよいよシーズン終盤戦に突入。第7戦近畿大会が、奈良県の名阪スポーツランドで開催されました。このコースは、サンド質の路面に加え、高低差のある自然の地形を大胆に利用したハイスピードレイアウトを特徴としています。大阪や名古屋といった大都市からもアクセスしやすく、毎年、大勢の観客が訪れます。大会前と、決勝日の早朝から昼ごろにかけて降雨があったものの、水はけのよい土質のおかげで、路面状況はそれほど悪化しませんでした。しかし、砂が水を含んで固く締まったことから、深いワダチやギャップが多く発生しやすい状況となり、その攻略がカギを握るレースとなりました。

●IA1(450/250)ヒート1

TEAM HRCの小方誠が、トップの小島庸平(スズキ)と19ポイント差のランキング2位、チームメートの成田亮がトップと40ポイント差の同5位で、今大会を迎えました。その決勝ヒート1、ホールショットを奪ったのは星野優位(SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)。小方は4番手、成田は7番手で1周目をクリアしました。

3周目、成田は転倒により15番手付近まで後退。同じ周に星野、熱田孝高(スズキ)、小方、小島によるトップグループが形成され、その後は5番手以下を引き離していきました。すると、レース中盤で熱田がやや後退。これでトップ集団は星野、小方、小島となりました。

さらに、レースが終盤に入るころ、小島が転倒により先頭集団から脱落。残った星野と小方は接近戦を続けましたが、最後は星野が小方との差をやや拡大し、そのままトップチェッカーを受けました。星野は、全日本最高峰クラス参戦1年目で、初優勝を達成。小方は2位に入賞し、Honda勢が1-2フィニッシュ。成田は7位でゴールしました。

●IA1(450/250)ヒート2

スタート直後、7台ほどが絡むマルチクラッシュが発生しました。しかし、TEAM HRC勢はこれに巻き込まれることなく、成田が4番手、小方が5番手で1周目をクリア。さらに星野と増田一将(Team CRF&Kazu Racing Project)が続きました。レース序盤、成田と小方は積極的な追い上げを続け、3周目には成田が2番手、小方が3番手に浮上しました。

先頭を走る平田優(ヤマハ)を追った成田は、レースが中盤に入ろうかという段階でパッシングに成功してトップに浮上。平田の約5秒後方では、小方が3番手をキープ。増田は小島と5番手争いを展開し、その後方では星野が7番手をキープして周回を重ねました。

後半、周回遅れの関係などから成田は一時的に平田の接近を許しましたが、終盤には平田を完全に引き離すことに成功。平田には、3番手の小方が徐々に迫りました。そして、成田が第3戦ヒート1以来となる勝利。小方は、平田を逆転することはできなかったものの、3位に入賞して総合トップに輝きました。

●IA2(250/125)ヒート1

IAルーキーの佐々木雅哉(HSR)が2番手、TEAM HRCの田中雅己が5番手、シリーズランキング3位で今大会に臨んだ山本鯨(TEAM YOU SPORT)は7番手で、それぞれ1周目をクリア。僅差ながらランキングトップで今大会を迎えた富田俊樹(T.E.SPORT)は、スタート直後に転倒し、最後尾からの追い上げとなりました。田中は、4周目に転倒によりリタイアしました。

レース中盤、山本が4番手に浮上し、佐々木は5番手をキープ。富田は、レース前半が終わった段階で7番手まで順位を上げました。ラスト10分を迎えるころ、山本は転倒を喫して9番手まで後退。レースは能塚智寛(カワサキ)が勝利し、富田は4位まで追い上げてフィニッシュ。佐々木は、全日本IAクラスの自己最高位となる6位入賞を果たしました。

●IA2(250/125)ヒート2

佐藤亮(N.R.T.)がホールショットを奪い、これに田中、竹中純矢(カワサキ)、富田、山本が続いて1周目をクリア。レース序盤、佐藤はトップの座を竹中に明け渡しましたが、そのあとも山本や富田とともに、竹中をマークしました。しかし、中盤になって佐藤はポジションを下げ、山本が2番手、富田が3番手に浮上。後半に入ると、両者の接近戦が続きました。

そして、数周ののち、富田が山本のパッシングに成功。しかし、トップとの差を大きく縮めることはできず、富田は優勝した竹中に次ぐ2位でゴールしました。山本は、終盤に1つ順位を下げて4位。ヒート1で負傷した田中は、5番手走行中だったラスト2周のところで転倒リタイア。後続の佐藤は、これに巻き込まれてやや遅れ、6位入賞となりました。

コメント
◆小方誠(IA1・2位/3位)
「ヒート1は、トップを走る星野選手に追いついたのですが、優勝には届きませんでした。速く走れるラインが限定的で、それでも星野選手を抜こうといろんなラインを試していたのですが、その際にミスをして逆に引き離されてしまったことも、勝てなかった原因の一つです。ヒート2は、序盤は成田選手に引っ張ってもらう形になりました。しかし、自分のスピードが少し足らず、離されてしまいました。終盤に平田選手との差が縮まったことを考えると、序盤でもう少しついていければ、2位までは上がれたかもしれません。とはいえ、コース状況を考えると、今回は絶対に荒れたレースになると予想して、『両ヒートで確実に表彰台登壇』という目標を掲げていたので、それを達成できた点はよかったと思います」

◆成田亮(IA1・7位/優勝)
「夏のインターバルを利用して、アメリカのレースに5戦出場してきました。全日本ですら勝てない状態でしたが、向こうでレースを続けているうちに、成績こそほどほどでしたが、走りがかなりよくなった実感があり、自信を持って帰国しました。ヒート1は、序盤に自分のミスで転倒し、再スタートにも時間がかかってしまいましたが、そのあとの走りも悪くなかったので、ヒート2は絶対に勝てるという意識でした。そして、その通りの結果になりました。自分の中では、アメリカでの走りができたら、もっと圧倒的な速さで勝てるというイメージですが、全日本での不調から脱出できたというのが、まずはうれしいです。ダメな自分から抜け出させてくれた、日本とアメリカのHondaに、本当に感謝しています」

◆星野優位(IA1・優勝/7位)
「僕は身長があるほうではないので、今年から乗る大きくてパワフルな450ccマシンに対応するために、一度は体重を増やしました。しかし、これがあまりよくない感じだったので、夏休みを利用して3〜4kgほど落としました。これにより、練習では調子が上向きになったので、今大会が楽しみでした。さらに、決勝は自分が好きな路面コンディションでした。とはいえ、まずは表彰台、そして両ヒートを6位以内入賞というのが目標で、まさか勝てるとは考えてもいませんでした。ヒート1でホールショットを奪い、トップを走っているときも、後続に抜かれてしまうだろうと思っていました。ところが、一度は差を詰められましたが、終盤になってまた自分のタイムが上がり、離すことができました。自分でも驚いています」

◆井本敬介|TEAM HRC監督
「IA1では、小方が総合優勝、成田がヒート2で久々の勝利と、チームとしてはまずまずの結果になったと思います。各自が、夏のインターバルを利用して課題に取り組んできた成果が表れたと思います。成田は、ヒート2では本来の彼らしい走りを披露してくれました。小方は、成績の割には走りのキレにいまひとつ欠けていた印象もあるので、次戦での課題にします。IA2の田中は、夏休みの乗り込みを結果につなげられずに残念ですが、本来はこのクラスで優勝できる実力を備えたライダーなので、流れをこちらに引き込めれば、必ず好成績を残してくれると信じています。また、今大会のIA1決勝ヒート1では、HRCとしても応援しているライダーの一人である星野選手が初優勝し、うれしく思っています」

◆富田俊樹(IA2・4位/2位)
「ヒート1は、スタート直後に前を走っていたライダーの後輪に、自分の前輪を接触させてしまい、転倒しました。速く走れるラインがかなり限られていて、追い上げが難しいコンディションでしたが、その中では納得できる走りだったので、ヒート2こそ優勝と思って臨みました。スタートもまずまず決まり、トップまで狙えると思ったのですが、レース中盤に自分の前を走っていた山本選手はさすがに手ごわく、攻略に時間がかかってしまいました。この間に竹中選手を逃がしてしまったのが敗因です。相性のよいコースで、土曜日から調子がよかっただけに、成績にはやや不満も残りますが、走りは悪くなかったと思います」

◆田中雅己(IA2・DNF/DNF)
「ヒート1は、後半に追い上げる作戦でした。そのために、前との差が広がらないように気をつけながら、いろんなラインを試していました。その途中で、踏み切りがエグれた場所からジャンプしてしまい、これが原因で転倒。手首の痛みがひどく、リタイアを選択しました。骨折の可能性を指摘されたので、ヒート2に出場するか迷ったのですが、地元の大会ということに加え、この夏休みに必死で努力してきたことから、どうしても出場したいと思い、いろいろな方々に治療などのサポートをしてもらって走ることにしました。途中まではよかったのですが、最後に転んでしまいました。この悔しさを、次戦に向けます」

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