[KAWASAKI]JRR Rd.6 JSB1000 初開催のSUGO100マイル耐久レース、渡辺は安定した走りで今季最高位の5位入賞を獲得。

スポーツランドSUGOは、杜の都・仙台にふさわしく、遠くに磐梯山を望む自然豊かな丘陵地にレイアウトされたサーキットだ。仙台市内からも車でおよそ30分とロケーションの良さもあり、多くのモーターファンから愛されている。全長はおよそ3.7キロで、その名もハイポイントコーナーと呼ばれる場所から一番低いSPコーナーまでの高低差は、約67メートルもありその高さはビルの20階ほどにも相当する。コースの名物となっている10%勾配はまさに立ちはだかる壁のようでもあり、ホームストレートにつながる滑走路のようでもある。

100マイルを走るセミ耐久のため、ライダー登録が2名のチームと単独で走行するチームがあり、予選は計時方式で行われた。チームグリーンは柳川が単独走行。渡辺は高橋英倫を第2ライダーに登録して2名体制で臨むこととなった。テスト走行でロングランを敢行していなかった柳川は一発のタイムよりもアベレージタイムにシフトしたタイヤを選び、予選に臨んだ。狙っていたタイムには届かなかったものの1分28秒台をコンスタントにマークした柳川は最終的に1分28秒567で5番グリッドを獲得した。一方、マシン調整に難航した渡辺はフラストレーションのたまる予選となった。それでも最終アタックで意地の1分29秒212をたたき出し、柳川に次いで6番手タイムをマーク。セカンドライダーの高橋は走行時間が少なかったにも関わらず1分31秒833で安定した走りを見せた。

■レポート
3.7キロのコースを43ラップするとおよそ100マイル。途中、給油・タイヤ交換のためのピットインが必要になる。チームグリーンでは22周前後で渡辺がピットインし、路面やライダーの疲労度合などから、セカンドライダーの高橋にスイッチするかを判断する。数周後に柳川がピットイン。給油のみでピットワークタイムを最小限に抑える作戦で決勝に臨んだ。

スタートは午後2時。レッドシグナルが消えると同時にライダーがコース上を横切ってマシンに駆け寄るルマン方式のスタートだ。抜群のスタートを決めた柳川は3番手で1コーナーに飛び込んだが、渡辺は駆け出しで躊躇したのか10番手まで後退。それでもすぐに7番手までポジションを回復してオープニングラップを終了した。

レース中盤以降にポイントを置いていた柳川は予選タイム並みの1分28秒台後半というラップタイムで3番手をキープ。序盤で1秒以上のギャップを築かれたものの、前を行く中須賀(ヤマハ)に対し、14周目にはわずか100分の8秒差にまで迫り、15周目には2位に浮上。トップ津田(スズキ)を追う展開に持ち込んだ。周回遅れにペースを乱されたが23周目にはその差はコンマ2秒弱まで急接近。完全にスリップについた25周目に津田をとらえると、ついにトップに躍り出た。

誰も想像しえなかった光景が飛び込んできたのはその直後、26周目の第1コーナーだった。ブレーキングポイントを通過した柳川のマシンがそのまま真っすぐグラベルにつっこみ、最深部の芝生で転倒してしまったのである。十分減速してからの転倒だったため、ライダーにもマシンにもダメージがなく、すぐにコース復帰した柳川は大きく順位を落とすことなく自力でピットに戻ってきた。

ルーティンのピットワーク作業に入ろうとしていたクルーは、コース復帰した柳川がピットに戻るまで万全の体制を整え、通常のピットワークタイムに匹敵する速さでマシンをチェック。大きくタイムロスすることなく再び柳川をコースに送り出した。

一方、渡辺は2ラップ目に藤田(ヤマハ)をかわし6番手に浮上するとポジションをキープしたまま22周でピットイン。当初予定していなかったタイヤ交換を行ったが、素早い作業でほぼタイムロスのないままコースイン。フィジカル面での心配もまったくなく、万が一の時のためにスタンバイしていたセカンドライダーの高橋も出番はなくなった。ラップタイムも予選タイムに匹敵する1分30秒台前半をベースに安定した速さを見せ、第1スティント後半で1分29秒台に入れるなど周回ごとに安定さを増していった。レース後半で前を行く伊藤(ホンダ)をとらえると5位に浮上。そのままチェッカーとなった。

転倒ダメージが心配された柳川だったが、第2スティントでもトップグループとほぼ同じ1分29秒台前半のラップタイムを回復。さすがに転倒でのタイムロスは大きくそのギャップを埋めるまでにはいかなかったが、堂々の4位でチェッカーを受けた。

柳川はシリーズポイントの18を加算して、94ポイントの2位。今季最高位の5位チェッカーとなった渡辺は16ポイントを加えて合計50ポイントなり、シリーズランキングは9位となった。

◆柳川 明(4位)のコメント
「ちょー悔しいです。いや、ほんとうに悔しい。すべてライダーの責任です。トップに立った次の周回で、ピットインのサインに確認の右足を出してブレーキングポイントでブレーキを握ったのですが…。その前の周回あたりからブレーキを調整してライディングしてたのですが、まさかのピットイン周回でその微調整が間に合いませんでした。狙い通りのタイミングでトップに躍り出て、さぁいよいよ後半で勝負だと思っていたのですが、すべてを台無しにしちゃいました。幸いにもグラベルで減速させることができたので、ダメージも小さく、コース復帰してレースを続行することができました。コース復帰後もトップと勝負できるだけのラップタイムをその後も刻めただけに、やっぱり悔しい。いや、本当に悔しいレースでした。できるならもう一回やってほしいぐらいです。」

◆渡辺 一樹(5位)のコメント
「事前テストから予選にかけて、足踏み状態が続いていただけに、前日まではかなり気分が滅入っていました。何とか解決の糸口が見つかったのが決勝当時の朝。ウォームアップで前日までの悩みが一気に晴れて、決勝グリッドにつくことができました。ただ、スタートでちょっとミス。8耐の経験はあるのですがスタートライダーははじめてで、一瞬出遅れてしまいました。レースそのものは予選と変わらないタイムが出せました。ライディングそのものを変えたので、後半は負担が大きくつらいレースでしたが、それでも我慢して完走。ベストリザルトの5位を獲得できたのは支えてくれているチームのためにもよかったと思っています。」

◆釈迦堂監督のコメント
「チームとしてはレース後半にウエイトを置いた作戦で、タイヤ交換せずに走り切るプランを立てていました。そのため予選でも一発のタイムを狙うのではなく高いところでアベレージタイムをキープすることにシフトして動いていました。柳川は単独で、渡辺に関しては万が一のことを考えてセカンドライダーに高橋英倫選手を起用。いずれにしてもピットワークを含め総合力で勝ちを狙いに行くレースでした。
予選まで本来のタイムが出せないまま苦しんでいた渡辺でしたが、決勝日のウォームアップから決勝と尻上がりに調子を取り戻し、納得のレースができたと思います。
柳川に関しては狙い以上の展開で、期待も大きく膨らみました。ライダーが一番悔しい思いをしていると思いますが、チームとしてはプラン通りの展開で確かな手ごたえをつかむことができました。ライダーに大きなダメージがなかったし、レース中のラップタイムも想定以上のものを得ることができたので、後半戦にとって大きな前進だと思います。 」

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