「ECU」がMotoGPマシンの性能を決める!?

昨年からMotoGPクラスに導入された新カテゴリー、CRTの戦闘力が今年はぐんアップして、ファクトリーマシンとの差が縮まるかもしれない。CRT(クレイミング・ルール・チーム)とは、市販車ベースのエンジンをオリジナルのシャーシに搭載したマシンで、今年も「ARTアプリリア」や「FTRカワサキ」などが参戦している。

ただ、昨年の結果を見てもファクトリー勢との実力の差は明らかで、ラップタイムではトップから3秒落ち、決勝レースではトップ10に食い込むこともなかなか難しい状況だった。
そこで、CRT勢をサポートするため、MotoGPを運営するドルナスポーツとマニエッティ・マレリとの間でECU(エンジン・コントロール・ユニット)を共同開発し、CRTに提供することになったと報じられた。

すべてのCRTが共通のECUを使うことで、パフォーマンスを同等にしつつコスト負担を減らし、結果的にプロトタイプマシンとのギャップを大幅に縮小することが期待されているそうだ。ECUってそんなに大事なの? と思うかもしれないが、実は現代の高性能マシンにとって必需品であり、いわばバイクの「頭脳」のようにもの。
フューエルインジェクションや点火系、吸排気系デバイスなどはもちろん、最近ではABSやトラコン、パワーモードなどの電子制御を一手に引き受けているのが、このECUなのだ。
つまり、“走るコンピュータ”と化したMotoGPマシンの限界を引き出し勝利に導くためには、ライダーの才能に加えて「賢いマシン」であることが必須なのだ。

パワーやトップスピードなど目に見えるスペックならまだ分かりやすいが、ECUの中味となるともはやブラックボックス。今や戦いの舞台はデスクトップ上になっているようだ。

Webikeニュース編集長 ケニー佐川

[関連ニュース]
2012/9海外ニュース◆ マニエッティ・マレリのECU、2013年から最高峰クラスの全車に供給
2012/2コラム:◆MotoGP「CRTクレイミング・ルール・チーム」って何だ!?
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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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