[KAWASAKI]ARRC Rd.6 連覇に向け激しい攻防戦を繰り広げるも、ポイントわずかに及ばずシリーズランキング2位で締めくくる

今シーズン最終戦、決戦の場ロサイルサーキットは、全長5,380m、ホームストレート1,068m、16のコーナーで構成された砂漠の中のサーキットで、アジア選手権で唯一ナイトレースの開催になる大会でもある。

ポイントリーダー藤原と2位清成(ホンダ)との差は16ポイント。昨年は第5戦中国で藤原がチャンピオンを決め、リラックスしたムードで現地入りすることができたが、今年は清成という強力なライバルの出現によって激しいタイトル争いになり、藤原をはじめスタッフは緊張した面立ちでドーハ国際空港に降り立った。

この大会からフロントタイヤのみ2種類のコンパウンドから選択できるようになるが、ソフトコンパウンドについてはウィークを通じて使用できる6セットのうち4本に制限されるため、フリー走行3回、ウォームアップ、予選、決勝の2レース、計7回のセッションでどのタイヤを使用するか、各チームにとって新たな課題となった。

予選
 23日は3回目のフリー走行と予選が行われた。16:20から行われたフリー走行は気温26℃と暑さは厳しくなかったものの、各ライダーはこのサーキット特有の砂が乗った路面に対するセットアップ専念した。というのも、想像以上にタイヤへの攻撃性が高く、各ライダーはベストタイムを叩き出すこと以外にタイヤを最後まで持たせることを考えてセットアップを進める必要があったからである。

 予選が始まる20時になると気温は22℃まで下がり、路面温度も26℃まで下がった。タイヤに厳しい予選、レースになると判断した各ライダーは1周目から積極的にアタック、多くのライダーが3周目までにベストラップを記録した。いつも真っ先にコースインする藤原は、今回はやや遅らせてコースイン、序盤にクリアラップを取る作戦を選んだ。1周目にアタックに入った藤原は自身のレコードを破る2.06.398を叩き出しピットイン、モニターを見つめながら他のライダーの動向を伺った。結果的に藤原のタイムを破るライダーは現れなかったため、藤原が4戦連続となるポールポジションを獲得した。2番手には昨年の藤原のレコードを破る2.06.524をマークした今回好調なカマルザマン(ホンダ)、3番手に2.06.575でババ(ヤマハ)、4番手に伊藤(ヤマハ)、5番手に清成、6番手に稲垣(ヤマハ)というグリッドになった。ファドリもタイムアップを果たしたものの2.07.820で8番手、フアドが2.08.538で11番手、ナシュルルは思ったようにコース攻略ができず18番グリッドからのスタートが決まった。

◎決勝第1ヒート

そして迎えたレース1、スタートは日が暮れ始めた17:05からである。照明が点灯され、気温も下がり始め、路面温度も26℃まで下がって、前日の予選やフリー走行のコンディションに近づいていった。

レッドシグナルが消灯、最初に1コーナーに飛び込んだのはカマルザマン。以下、藤原、ババ、清成、伊藤、稲垣、フアドと続いてオープニングラップを終えた。ババが2周目に藤原をパスすると、3周目にはカマルザマンを捉え、トップに浮上、レースを引っ張っていく。カマルザマンもババを追撃、そのすぐ後ろでは藤原、清成のチャンピオン候補がバトルを繰り広げる。清成が15コーナーで仕掛ければ、藤原は1コーナーで抜き返す、といったバトルが2度ほど続いて迎えた中盤、2分7秒台でラップするババが徐々に逃げ始め、カマルザマン、清成、藤原による2位争いが3台で開始された。しかし、清成がカマルザマンの前に出ると、清成のタイトルがかかっているため、カマルザマンが藤原をブロック、清成と藤原の間隔は一気に広がっていった。藤原もカマルザマン攻略の糸口を探ったが、すでにタイヤも音を上げており、そのままの順位でチェッカー、藤原は暴れるマシンを必死にコントロールしたが、0.029秒差で4位でフィニッシュした。5位に伊藤、6位にフアドが入り、ファドリはレース直前、マシンにトラブルが発生したため、レースをキャンセルした。この結果、ポイントテーブルにおける藤原のリードは9点となり、レース2が最終決戦となった。

◎決勝第2ヒート

選手権のフィナーレとなるレース2のスタート時間は20:50、主催者から支給されているタイヤは路面温度が高い地域でのレースを前提した仕様のため、低温下ではサーフェスがささくれ立ってしまいその性能を発揮することが難しく、各ライダーはレース1を終えた後、不安を抱えてレースに臨むことになった。

いよいよシリーズのフィナーレとなるレース2の幕が開かれた。

ホールショットはレース1同様、今大会好調のカマルザマン。続いて藤原、伊藤、ババと続き、レース1に似た展開になるかと思われた。しかし様子が違う。1周目の15コーナーでババ、伊藤が藤原をパス、ババはカマルザマン追撃の態勢に入った。藤原は2周目の1コーナーのブレーキングで伊藤を抜き返すが、2分6秒前半でラップする清成に2コーナーで抜かれてしまう。4周目に2.05.881という驚愕タイムを叩き出した清成は6周目の15コーナーでババをパスするとすぐにカマルザマンの前に出て逃げ切りを図る。その後も2分6秒台でラップする清成、カマルザマンに対し、スライドに悪戦苦闘する他のライダーは徐々に差を広げられてしまう。藤原はこのタフな状況でも懸命に追撃を図ったが、6周目に伊藤にパスされ、そのままの順位でチェッカーが振られた。清成はレース1よりも10秒近くレースタイムを縮め、31.46.882で優勝し、トータル231ポイントとした。藤原は5位でレースを終え226ポイントとなったため、清成が逆転してのタイトル獲得となった。

◆藤原 克昭(4位/5位)のコメント
「今年は2連覇に向けてチーム一丸になって戦ってきましたが、わずかに及ばずタイトルを獲得することはできませんでした。しかし、マレーシア、インドネシア、中国、日本、台湾、カタールをはじめ各地のカワサキファンにたくさんの声援をいただき、一緒に戦えたことは大きな喜びとともに同じカワサキファンとして誇りに思います。そして、最高のレース環境を用意してくれたカワサキ、チームのスタッフ、いつも自分を支えてくれる家族に感謝の言葉を送りたい。帰国後、チームは来年のタイトル奪還に向けて新たな挑戦を始めます。これからもご声援よろしくお願いします!!」

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