[HONDA] JMX Rd.9 成田亮が全日本最高峰クラスIA1のシリーズタイトルを獲得

今季の全日本モトクロス選手権はいよいよファイナルレースを迎え、第50回MFJ-GPモトクロス大会が、今季第4戦でも使われた宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。2つの丘を使ってレイアウトされたこのインターナショナルコースは、アップダウンに富む設定。今大会では、基本レイアウトはそのままに、一部セクションに小さな変更が施されました。

天候は、予選が繰り広げられた土曜日が晴れで、決勝が開催された日曜日が晴れまたは曇り。乾いた風と20℃を超えた気温により、粘土質の路面が硬く締まりすぎることが心配されました。しかしコースには、今大会でも事前から完ぺきな整備が行われていて、最終レースまで文句なしのベストコンディションが保たれました。

全日本最高峰クラスとなるIA1では、TEAM HRCの成田亮がこの最終戦を、2番手と45ポイント差のランキングトップで迎えました。またIA2では、星野優位(SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)がトップとわずか5ポイント差のランキング2番手で、今大会に臨みました。

●IA1(450/250)ヒート1

TEAM HRCの成田亮は、11位以内でゴールすれば自力でシリーズタイトルが獲得できる状況で、このレースを迎えました。好スタートを決めた成田は、1周目でトップに浮上。チームメートの平田優がこれをマークし、TEAM HRCが序盤からワン・ツー態勢。成田と平田の後方には新井宏彰(カワサキ)と熱田孝高(スズキ)が続き、この4台がトップグループを形成しました。

レースが後半に入ると、一度は集団から後れていた小島庸平(スズキ)が、再びトップグループに接近。14周目には、平田が成田の攻略を試みるも、逆に4番手へと順位を落としました。そしてラスト3周となった15周目、後方からの追撃をかわし続けてきた成田がまさかの転倒。5番手に順位を下げてしまいました。

成田の転倒により3番手へと浮上した平田は、まず新井を抜くと、ラストラップにはトップを走る熱田に肉迫。しかし約0.7秒届かず、平田は2位でフィニッシュしました。TEAM HRCのもう1台、小方誠はレース後半に順位を落として10位でゴール。優勝は逃しましたが、成田は5位に入賞して、シリーズタイトル獲得を決めました。

●IA1(450/250)ヒート2

今季最終レースを勝利で飾るべく挑んだ成田は、好スタートを決めてオープニングラップをトップでクリア。小島と熱田がこれに続きました。小方は、スタート直後の1コーナーでマルチクラッシュに巻き込まれ、ほぼラストからのレースに。平田はスタートで大きく出遅れ、レース中盤に転倒を喫すると、このレースのリタイアを決めました。

トップ争いでは、先頭を走る成田が小島と熱田を序盤にやや引き離し、その後は3秒程度のアドバンテージをキープしながら走行。地元大会とあって多くのファンが声援を送る中、トップを走り続けました。そしてレースは18周でチェッカー。オープニングラップから一度もトップの座を譲ることなく、成田が優勝しました。

この結果、成田は今季18ヒート中で14勝を挙げ、2位の新井を48ポイント引き離してシーズンを終了。また平田は、シリーズランキング3位を獲得。この今季最終レースでは9位まで追い上げてゴールした小方は、ランキング6位となりました。

●IA2(250/125)ヒート1

秋のSUGOで開催される全日本選手権は、グランプリ大会とされていて、MFJライセンス所持者以外の参戦も可能。この制度を利用してIA2には、今季のオーストラリア選手権でMX2クラスの王者となったフォード・ディールが、チーム「N.R.T.」からスポット参戦しました。予選から圧倒的な速さを披露したディールは、決勝ヒート1でもスタート直後からトップを独走。2位以下を40秒近くも引き離して勝利しました。

その後方では、2周目に2番手へと浮上した星野優位を、レース中盤に追い上げた田中雅己(TEAMナカキホンダ×CRF)と竹中純矢(カワサキ)が追う展開に。そして終盤、田中が星野を抜いて2番手に浮上。星野はさらに竹中にも抜かれ、田中、竹中、星野の順でゴールしました。しかし暫定表彰式後に、竹中が黄旗無視により降格。正式リザルトでは、Honda勢がトップ3を独占しました。

●IA2(250/125)ヒート2

ヒート1で星野は最終的に3位となり、ランキングトップの山本鯨(スズキ)が5位となったため、山本と星野のポイント差がわずか1点という状態で、この最終決戦を迎えました。レースは、再び1周目からトップに立ったディールが、後続を引き離す展開。田中が4番手、星野は9番手でオープニングラップをクリアしました。序盤、8番手に浮上した星野はペースが上がらず、苦しい展開となりました。

また、3番手に浮上した田中は、7周目に転倒を喫して7番手に後退。一時は星野と接近戦を繰り広げましたが、その後に星野を振り切って、順位を回復していきました。そして、レースは再びディールが勝利し、田中は5位に入賞。8位でゴールした山本に対して、星野は10位に終わり、3ポイント差でランキング2位となりました。また今大会での活躍により、田中は3位にランキングを上げて、シーズンを終了しました。

【コメント】
■成田亮(IA1・5位/優勝)
「シリーズチャンピオンになれたのはうれしかったのですが、優勝して決定できなかったので、ヒート1の終了直後はかなり悔しかったです。だいぶん走りが硬かったですが、それでもレース序盤からトップを守り続けられました。そのままゴールできれば、カッコよく決められると思ったのですが、タイトルを意識しすぎて、やっぱり転んでしまいました。でもヒート2は、ちゃんと勝つことができて、そのうっぷんを晴らすことができました。今季からTEAM HRCで参戦することになり、新しいチームと新型のマシンでチャンピオンを獲得するという、難題に臨むことになりましたが、自分ならやり遂げられると信じていました。サポートし続けてくれたチームやスタッフ、そしていつもコースサイドで応援してくれるファンのみなさんに感謝しています。応援ありがとうございました」

■小方誠(IA1・10位/9位)
「ヒート1は、荒れたコースにうまく対処できず、序盤はまずまずの位置を走っていましたが、不本意なレースとなってしまいました。さらにヒート2は、スタート直後に他車と接触して転んでしまい、中盤以降にある程度はペースを上げられたのですが、結果的にはとても悔しい結果となってしまいました。今シーズンは、序盤戦はなかなか上位に浮上することができませんでしたが、中盤戦以降は調子も上がってきて、最初の目標である表彰台登壇を果たすことができました。しかし、ポイントランキングでは5位にだいぶん引き離されての6位と、序盤での苦戦もあって、いまひとつの結果となってしまいました。一方で、たとえばスタートなど、成長した部分も多くあったと思います。よかった部分を、来年につなげていけるようにがんばります。一年間の応援、ありがとうございました」

■平田優(IA1・2位/DNF)
「ヒート1は、最後までトップ争いを演じることができ、展開としてはよかったと思います。ただし、成田選手の後方を走っているときに何度かパッシングを試みたのですが、ちょうど出口のラインが被ってしまうことが多く、うまく抜くことができませんでした。その間に熱田選手に抜かれてしまい、最後の最後では勝負強さが足りず、今季の目標としていた1勝を挙げることができませんでした。ヒート2は、序盤に2度の転倒を喫し、集中力を維持できなくなってしまいました。この状態で走るのはあまりに危険と感じ、自分の意志でリタイアを決めました。結果的には、1勝を挙げるという目標を達成できずに今季を終えることになりましたが、シリーズランキングでは3位となることができました。これも、応援してくださるみなさんのおかげだと思います。一年間ありがとうございました」

■井本敬介|TEAM HRC監督
「成田は、シリーズタイトル獲得が懸かったヒート1では、スタート前からかなり緊張していたようで、完ぺきな形でのチャンピオン決定とはいきませんでした。しかし、どんな内容であれ、年間タイトル獲得を決められたのですから、結果的にはよかったと思います。ヒート2ではしっかり勝利して、今季最後のレースでもう一度、強さを披露することもできました。もちろん、成田のライディング技術もすばらしいですが、チームや関係スタッフ、そしてなによりも応援してくださるファンのおかげで、タイトルが獲得できたと思います。平田と小方も、この大会では振るいませんでしたが、年間を通して考えれば、ある程度の成長を遂げることができたと思います。来年もまた、いいレースができるよう、オフシーズンに気を緩めることなく、体制づくりを進めていきたいと思います。今年も一年間、HondaとTEAM HRCを応援していただき、ありがとうございました」

■フォード・ディール(IA2・優勝/優勝)
「今回、少しタイトなスケジュールでしたが、初めて全日本選手権に参戦させてもらいました。さすが世界選手権が開催された実績のあるコースだけあり、セッティングが非常にすばらしく、攻略するのは難しかったのですが、両ヒートとも楽しく走ることができました。勝つことができてハッピーですが、表彰台に上がった他のライダー、そしてシリーズタイトルを決めた成田亮選手にもおめでとうと伝えたいです。今回の参戦に協力してくれたHonda、サポートしてくれた方々、チームのN.R.T.やコーディネイトを担当してくれた勝谷武史選手に感謝しています。応援ありがとうございました」

■田中雅己(IA2・2位/5位)
「このコースは苦手で、土曜日の予選はかなり苦戦しましたが、その後にうまくマシンを仕上げることができました。ヒート1は、スタートで遅れた上に転倒してしまったのですが、その後にうまく追い上げることができました。ヒート2は、なんとかスタートで前に出て、ディール選手の走りを少しでも見て勉強しようと思いましたが、3番手争いの先頭に立ったところで転倒してしまいました。両ヒートとも転んでしまったので、とくにヒート2はもったいなかったと思いますが、結果的にはランキングを上げて3位で終わることができましたし、最後まで思いっきり走ることができたので、よかったと思います」

■星野優位(IA2・3位/10位)
「山本選手と1ポイント差で迎えたヒート2では、まるでうまく走ることができませんでした。シーズン最後のレースを、タイトルを懸けて走るというのは初めての経験でしたが、どう対処してよいのかまるでわかりませんでした。これは山本選手も同じだったと思いますが、自分が山本選手よりもほんの少しだけ劣っている部分があって、こういう結果となったのだと思います。ただし、三原拓也選手(カワサキ)を含めた2台のファクトリーマシンを相手に、最後まで競ってのランキング2位ですし、やり遂げたという気持ちもあるので、シーズンに対しての悔いはありません。自分にとって、これもプラスの経験になると信じています」

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