[YAMAHA] MotoGP Rd.15 J・ロレンソが2位、中須賀9位

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが2位。B・スピースは序盤先頭集団を走っていたが、コースアウトしてリタイア。モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾは4位。C・クラッチローは終盤4位を走るがスローダウンでチェッカーを受けれず。ヤマハ・YSP・レーシング・チームの中須賀克行は9位だった。

ポールポジションの J・ロレンソが序盤からトップを行く展開。後にはD・ペドロサがつけて2台がレースをリード。折り返し点の12周目は5コーナー手前で、ロレンソはペドロサにトップを譲って2番手に後退。後半は挽回及ばすペドロサに4秒遅れの2位でゴールした。

チームメイトのスピースは、2ラップ目の第1コーナー進入で、ブレーキがオーバーヒートを起こすアクシデント。マシンのスピードを落とすことができなかったため、転倒のリスクを避けてそのままコースアウトした。これでノーポイントに終わった。

終盤まで3位につけ、今季2度目の表彰台を狙っていたクラッチロー。残り5周のところで、A・バウティスタに先行されるが、最終ラップ、目の前のバウティスタにまさに仕掛けようとした矢先、第3コーナー進入でガス欠となり追撃を続けることができなかった。

一方のドビツィオーゾは、レース序盤は6位争いの後方にいたが、10周目にS・ブラドルを抜いて6位、17ラップ目にはC・ストーナーをとらえて5位に浮上していた。そして最終ラップでクラッチローが戦列を離れたことで、もうひとつ順位を上げ、4位でチェッカーを受けた。この結果、シリーズポイントではランキング4位につけ、3位のストーナーを5ポイント差で追っている。

11番手4列目グリッドから発進した中須賀は、一つ順位を上げた10番手で1周目を終える。2周目にN・ヘイデンに抜かれて11番手となるが、3番手走行中のB・スピースがコースアウトし戦列を離れ10番手でレースは進行する。0.3〜0.5秒差の接近戦を繰り広げ、時折周回タイムがヘイデンを上回りながら迎えた最終ラップ。ビクトリーコーナーから立ち上がり、メインストレートに入った中須賀は、スリップストリームを活かしてヘイデンの真横にならんでゴールラインを通過するも、わずか0.07秒及ばなかった。結局C・クラッチローのリタイアにより一つ順位を上げて9位でレースを終えた。

【コメント】
■J・ロレンソ選手談(2位)
「ダニについて行こうと最大限の力を尽くしたけれど、今日はストレートのパフォーマンスがかなり違っていたし、彼のライディングも本当に素晴らしかった。だからどんなに頑張っても、どうしても無理だったんだ。次の戦いはきっと違う展開になってくれるだろう。チャンピオンシップでは、これで確かに差が縮まってしまったけれど、僕らも決して悪い状態ではなく、十分に競争力を持っている。もちろん優勝のチャンスだってあるよ」

■B・スピース選手談(リタイア)
「今日の結果には、非常に悔しい思いをしている。このコースの特性上、ブレーキが課題になることはずっとわかっていたことだけれど、まさかわずか2ラップ目で出てしまうなんて…。チームのみんなも本当によく頑張ってくれて、おかげでマシンは表彰台獲得のペースを維持していた。それだけに、このようなことになって残念だ。次はマレーシアのセパンだが、早く気持ちを切り替えて、できることならトラブルなしでレースウイークを過ごしたい」

■W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「とても重要な2位であることは間違いない。だがダニに勝てなかったことは、やはり少し残念だ。忘れてはならないことは、我々には失うものがたくさんあるということ。ホルヘはいつだって勝利を欲しがっているが、同時にチャンピオン争いのことが頭のなかにある。今日の走りからもそれが見えたはず。我々も彼の状況をよく理解している」

■M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンはわずか2ラップでブレーキに問題が出てしまった。このコースはブレーキ・システムへの負担が非常に大きく、ほとんどのライダーがこの問題に言及していた。そのなかで、実際に大きな影響を受けたのがベンだったというわけだ。ウォームアップもレースのオープニングラップもスムースだったが、次のラップにはもうマシンを止めることができなくなっていた。データを見てみても、それ以前のものと何も変わるところはないのだが…。その一方でホルヘのほうは、今回もまた才能と賢明さを存分に発揮した。初めはトップをキープしようと頑張っていたが、その後は2位獲得に切り替えて、少しでも多くのポイントを確実に獲ることを目指した。これは彼のこれまでの経験によるものだ。次のレースではもちろん、2位ではなく優勝を狙っていくつもりだが」

■A・ドビツィオーゾ選手談(4位)
「今日の4位という結果に満足するのは難しいね。それにはいくつか理由があるんだ。ひとつめは、自分で思っているほど速くなかったということ。とにかくウイークを通してずっとブレーキに問題が出てしまって思うように進められなかった。このコースはブレーキングがとてもハードなので、その問題を解決するために多くの時間を使って、いろいろなものをテスト。そして実際のレースを迎えたわけだけれど、そこでもやはり、序盤からうまくいかなかったんだ。

原因がわからないまま、コーナーのたびに少しのマージンを残しながら行かなければならなかった。だって、いつも通りの制動ができなかったからね。それから何周か走るうちに少しずつ状態が良くなってきて、ようやくプッシュできるようになっていったんだけれど、その頃にはもうかなり遅れてしまっていたんだ。走りのスムースさでも、今日は納得いくものができていなかったので、結局はアルバロやカルに追いつくことができなかった。今回はもっと上を目指していたから残念だけれど、このような状況のなかでの4位なら悪くないかもしれない。次のセパンでは、また表彰台争いをしたい」

■C・クラッチロー選手談(リタイア)
「レースが終わってしまった今では、残念な結果のなかにも良かったところを見つけ出さなければならない。それが今週はとても多かったと思う。このコースは僕のスタイルには合わないので金曜日は苦労したが、それでも土曜日にはフロントロウを獲得することができたし、決勝でも最後まで表彰台を争うことができた。金曜日から今日までの進歩は非常に大きく、チームのみんなと僕とがやってきたことを誇りに思えるよ。でも同時に、とても悔しい気持ちがあることを否定はできない。なぜならラストラップでアルバロをパスする自信があったからね。彼も素晴らしい走りをしていたから楽ではなかっただろうけど…。でもとてもいいバトルで、僕は戦いをエンジョイできたし、きっと彼も同じ気持ちでいたと思う。ただそれを最後まで続けられなかったのが残念だ。

チャンピオンシップを考えれば、ランキング5位獲得のために今日は4位でも良かったわけだけれど、このような結果になって結局、たくさんのポイントを失うことになってしまった。燃費が重要になることはわかっていた。でもずっと速さをキープし、ほとんど単独走行でスリップストリームを使っていなかったから燃料を多く使ってしまったようだ。結果を残すことはできなかったが、今日もまた、世界のトップライダーたちと互角に戦えることを証明できたことも収穫のひとつ。今は次のセパンに照準を合わせ、またトップ3のバトルを展開したい。あのコースでは2度のテストを成功させているので楽しみだ」

■H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム・チームマネジャー談
「ヤマハのホームレースで、我々の本来の強さをお見せすることができず残念だ。しかしカルはあれ以上、どうすることもできなかったと思う。オープニングラップからラストラップまで、彼は全力で走りきった。そして3位を目前にしながらリタイアしなければならなかった。燃料消費が重要な課題のひとつになることは我々も承知していた。ハード・ブレーキングとハード・アクセレーションを繰り返しながら、カルのペースは見事だった。気温も思った以上に低かったので、限界ぎりぎりの状態であることはわかっていたのだ。そしてカルがスローダウン。ラストラップにマシンを止めたとき、原因がガス欠であることは明らかだった。

非常に残念な結果になったが、そのなかにも評価すべきことがある。彼はここでフロントロウを獲得し表彰台を争ったのだ。いろいろなサーキットで常にビッグ・ファイトを見せてきたカルは、レースファンを大いに楽しませたことだろう。今回もトップ3に入るだけの速さを証明した。一方、アンドレアのほうは安定したレース展開で、非常に貴重なポイントを手にした。マシンのフィーリングは完璧ではなかったし、本当ならもっと上を目指したかったはずだが、その状況のなかでも決して最後まであきらめずに走りきった。彼はセパンでもとても速いので、次回はトップにもっと近づくだろう」

■中須賀克行選手談(9位)
「すべてのライダーが目指している世界最高峰クラスのMotoGPクラスに、YSPのチーム名で走れたことに感謝しています。今回は、テストを兼ねての参戦でしたが、レースウイークで転倒することなく走れたこと、さらにレースでも、直前を走るニッキー・ヘイデン選手を抜くことはできませんでしたが、世界のトップライダーの走りを間近に見ることができ、自分のレベルアップにつながりました。目標にしていた6位以上は達成できませんでしたが、シングルフィニッシュできたし、予定していた1分47秒台で周回できました。今回のレースで得た経験を、今後は全日本JSB1000で活かしていきたいと思っています。いい緊張感のなかで走ることができたことを、応援していただいたファンのみなさん、YSP、チームスタッフ、関係者のみなさんに本当に感謝しています」

■津谷晃司ヤマハ・YSP・レーシング・チーム スーパーバイザー談
「レース中にマイナートラブルが出てしまい、途中からはペースを調整する走りとなってしまいましたが、そうしたなかで中須賀選手は、MotoGPのレギュラーライダーと互角に渡り合っていたので、大きな自信になったと思います。また、レースウイークを通して貴重なデータを残してくれましたし、レースも含め、すべてにおいて十分な結果だと思っています。”ヤマハ・YSP・レーシング・チーム”を、そして中須賀選手を応援していただいたすべてのみなさまに感謝しています。ありがとうございました」

■板橋一男 ヤマハ・YSP・レーシング・チーム 監督談(YSPメンバーズクラブ会長/YSP成増)
「厳しい国内二輪市場の中、ヤマハ発動機、ヤマハ発動機販売の協力のもと、”ヤマハ・YSP・レーシング・チーム”として中須賀克行選手とともに参戦できたことに感謝申し上げます。YSPはもちろん、業界の活性化につながったのではないかと思います。MotoGPマシンにYSPロゴマークを全面に押し出したカラーリング、さらにチーム関係者のユニフォームも我々が普段着用しているものを使用し、YSPブランドを世界へ発信できたと思っております。そしてはちまきを巻いてYSPのビッグフラッグをなびかせ応援してくださったファンの皆さま、全国のヤマハファンの皆さま、レース活動を支えてくださったスポンサー並びに多くの関係者に心から感謝し、YSPメンバーズクラブ代表として御礼申し上げます。

今回の中須賀選手は、マシン開発という重要な役目を負っており、さらに再来週の全日本JSB1000ではチャンピオンがかかった一戦を控え、転倒や怪我が許されない状態でしたが、そうしたなか世界最高峰クラスで、最高のレースをしてくれました。9位7ポイント獲得、本当にご苦労様でした。見ていて本当に感動しました。同時に、中須賀選手にとって、大きな自信になったと思っています。最終戦鈴鹿でチャンピオンを獲得し、チームスタッフとともに美酒を飲みましょう」

■辻 幸一、MS開発部 モトGPグループリーダー談
「予選にてスーパーラップでポールポジションを獲得したロレンソ選手が決勝レースでは2位を獲得しましたが、それ以上にYZR-M1の開発を担っている中須賀選手がワイルドカードでありながら素晴らしい走りを見せてくれたことは非常に喜ばしく、今後の開発に役立ててくれることはまちがいありません。次回は次週マレーシア/セパンサーキットでの第16戦となります。引続き皆様のご声援を宜しくお願いします」

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