超小型車がバイクのライバルになる!?

最近、「超小型車」がにわかに注目されている。
これは軽自動車より小さい新しいカテゴリーの4輪車のことで、1〜2人程度が気軽に乗れる電気自動車(EV)タイプが想定されている。
今秋にも一部の自治体の公道で走行できるようになることを受け、トヨタ、日産・ルノー、ホンダ、スズキなど国内外の各メーカーが相次いで試作車を発表している状況だ。

超小型車はサイズや動力(排気量)で見ると、いわゆるミニカー(排気量50cc以下又は定格出力0.6kW以下の原動機を有する普通自動車。法的には原付1種)より大きく、軽自動車より小さい乗り物ということになる。気軽に乗れて小回りが利くことから、バスなどの公共交通が減る地方では高齢者の足として、都市部では近場へのチョイ乗りや買い物で使うことが想定される。

試乗レポート[YOMIURI ONLINE]によると、
電動だけに意外と加速はよく、50km/h程度には楽に到達するし、坂道も難なく上るらしい。「バイクを発展させ、安定して走れる四輪自動車」という記者の印象が伝えられ、ライダーとしては気になるところである。
第1種原動機付き自転車(四輪)は1人しか乗れないが、超小型車は2人程度乗ることができ、試作車の中にはドアがないハーフオープンタイプや前後にシートを備えたタンデム方式も見られるなど、モーターサイクル的特徴が見え隠れする点も興味深い。
国土交通省は、今後、道路運送車両法の5区分に新たに超小型車を加える方向という。

トヨタ車体は1人乗りの新型コムスの発売を開始。10年前に発売された初代コムスの進化版で、「バイクのような爽快感と機動性、クルマの安心感を併せ持つ新しいモビリティ」がコンセプト。満充電で約50キロの走行が可能で、最高速度は60km/h。家庭用100ボルトで約6時間あれば満充電できる。電気料金は満充電1回あたり約120円で、約2.4円で1km走れる計算だ。最小回転半径が3.2メートルと小回りがきき、全長約2.4メートル、全幅約1.1メートルというバイク並みのコンパクトさで駐車も楽。重量税や取得税もかからず、車検や車庫証明も不要なので経費も安上がりだという。

一方、欧州では日産自動車と提携するルノーが今年3月、超小型車「トゥイジー」を6990ユーロ(約67万円)で発売し、日本に先行する形で普及が始まっている。トゥイジーは日産が発売を予定している「ニューモビリティコンセプト」のベース車だ。

小生も先日、欧州をバイクで旅したときにミュンヘンの街角でトゥイジーを見かけたが、デザインが斬新でなんともカッコよく見えた。EVゆえに環境性能は抜群でしかもクルマの半分のスペースで駐車でき、スタイリングもイケてるということになれば、日本でも感性豊かな若者層や女性にも受け入れられる可能性は十分あるだろう。

気になる安全性だが「エアバッグや大型車からでも十分見える車高の確保など、この大きさで最大限の安全性を備えたつもり(日産)」とのこと。実際に普及させるためには価格面が決め手となるはずだが、トヨタの新型コムスは70万円〜80万円として軽自動車に対して割安感を出している。この価格帯であれば、2輪で言えばビッグスクーターなどとも競合することになるかもしれない。

お洒落な超小型車(ネーミングはなんとかしてほしいが)が街に溢れる時代はやってくるのか……。バイク乗りとしてもちょっと気になるところだ。

Webikeニュース編集長/ケニー佐川

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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