[HONDA] JMX Rd.7 IA1では成田亮がヒート1で意地の逆転勝利

約2カ月の長いサマーインターバルが明け、全日本モトクロス選手権第7戦が名阪スポーツランドで開催されました。IA1では成田亮(TEAM HRC)が2位と58ポイント差のランキングトップ、IA2では星野優位(SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)がトップと同点のランキング2位と、Hondaは年間タイトル獲得に向け絶好の位置で、ラスト3大会を迎えることになりました。

奈良県の北東部にある今大会のコースは、サンド質の路面で、高低差が大きい上下2段の平地をつないだようなレイアウトです。ハイスピード区間が多く、幅があまり広くないことから、パッシングポイントは多くありません。

各クラスの予選が行われた土曜日は、前日に予想されたほどは空がぐずつかず、午前中に瞬間的な降雨があったものの、曇り時々晴れの天候でした。また、決勝が開催された日曜日は雲が広がりましたが、朝から晴れ。正午前後には一時的にやや強い雨が降りましたが、路面はベストな状態が保たれました。

●IA1(450/250)ヒート1

HondaファクトリーチームのTEAM HRCから参戦する成田亮は、得意とするスタートでやや出遅れ、1周目を4番手でクリア。チームメートの小方誠は6番手、平田優は11番手から、上位進出を狙いました。2周目、成田が3番手、小方が4番手にポジションアップしましたが、平田は大混戦の中で逆に順位を落とし、14番手となってしまいました。

3周目、成田は熱田孝高(スズキ)をパスして2番手に浮上。ところがそのあとの数周は、トップを走る新井宏彰(カワサキ)がラップタイムで成田に勝り、小方が熱田を抜いて3番手に浮上した6周目の段階で、新井と成田の差は10秒以上にまで広がっていました。しかし次周以降、両者の差は縮まりだしました。

そしてレース終盤、ついに成田が新井の背後に迫ると、ラスト3周となったところで逆転に成功。そのまま新井を引き離した成田が、今季12勝目を挙げました。小方は、最後まで順位をキープして、全日本最高峰クラスでは2009年開幕戦以来の2度目となる表彰台に登壇。平田は思うような追い上げができず、不本意な11位でのゴールとなりました。

●IA1(450/250)ヒート2

好スタートを決めた小方がトップ、混戦の中でうまく順位を上げた成田が4番手、深谷広一(TEAM.MOTO.SPORTS.FUKAYA)が8番手、再びスタートで出遅れた平田が12番手で、1周目をクリアしました。2周目、成田が2台をパスして2番手に浮上し、Hondaが早くも1-2態勢と思われましたが、次周、成田が転倒を喫して16番手に後退してしまいました。

4周目、4番手を走行していた深谷がエンジンをストールさせ、序盤から積極的に追い上げ続けた平田に次ぐ8番手まで後退。この段階で小方は、2番手を走る新井との差を約4秒に拡大していましたが、レース中盤になって新井の接近を許してしまいました。そして8周目、小方が痛恨の転倒を喫し、6番手まで順位を下げてしまいました。

一方、転倒から復帰した直後の小方を抜いて3番手に浮上した平田は、次周以降も追い上げ続け、12周目には星野裕(カワサキ)をパスして2番手にポジションアップ。レースは19周でチェッカーとなり、平田は2位でゴールしました。小方は、終盤に順位を回復して4位でフィニッシュ。深谷は粘りの走りで5位入賞。成田は11位でレースを終えました。

●IA2(250/125)ヒート1

三原拓也(カワサキ)に続き、佐藤亮(N.R.T)が2番手、星野優位が3番手で1周目をクリア。田中雅己(TEAMナカキホンダ×CRF)や富田俊樹(T.E.SPORT)は1コーナーでマルチクラッシュに巻き込まれ、最後尾付近からの追い上げを強いられました。5周目、星野が佐藤を抜き2番手に浮上。しかしこの段階で、トップの三原との差は約10秒にまで広がっていました。

9周目、佐藤は岡野聖(スズキ)に抜かれて4番手に後退しました。この段階で、富田は10番手、田中は13番手まで順位を回復。終盤になって佐藤が7番手に順位を下げると、ラスト2周で田中が佐藤をパスしました。そして最終19周目、佐藤と富田が接触して両者が転倒し、富田はリタイア。これにより田中が7位、佐藤が8位となりました。星野は最後までしっかり順位を守り、2位表彰台に登壇しました。

●IA2(250/125)ヒート2

田中がホールショットを奪うと、そのまま1周目をトップでクリア。三原、星野がこれに続きました。序盤から積極的にペースを上げた田中は、5周目の段階で三原との差を約4秒にまで拡大。一方、星野はややペースが上がらず、三原との差がこちらも4秒ほどに広がってしまいました。そしてレース中盤の8周目、星野は山本鯨(スズキ)に抜かれてしまい、4番手へとポジションを下げました。

レース後半、田中はケガの影響でペースを落とし、レース時間が残り約5分となったところで2番手に後退。しかし田中は粘りの走りを続け、そのあとは順位を守って2位入賞を果たしました。星野は、レース後半にも順位を落として7位でフィニッシュ。6位には、1周目10番手から追い上げた富田が入賞しました。今大会の結果、星野はトップと2ポイント差の暫定ランキング2番手となっています。

【コメント】
■成田亮(IA1・優勝/11位)
「ヒート1は、トップを走っていた新井宏彰選手が非常に速く、一方で自分はスタートで出遅れてしまったため、非常に苦しいレースとなりました。しかし、2カ月のインターバル期間中にチームが精力的にテストを続けてくれたので、それにこたえるためにも、最後まであきらめず勝利だけを目指しました。底力を見せられたと思います。ヒート2は、序盤に2番手へと浮上し、チームメートの小方誠選手に追いつけると思ったのですが、自分のミスで転倒。再スタートに時間がかかってしまったこともあり、そのあとは追い上げられませんでした。次回の中国大会でシリーズタイトル獲得を決めるつもりで臨んできたので、その可能性が低くなったことが残念ですが、またここから連勝を目指してがんばりたいと思います」

■小方誠(IA1・3位/4位)
「ヒート1で、IA1では09年の開幕戦以来となる2度目の表彰台に、ようやく上がることができました。応援してくださっている皆さん、大変お待たせいたしました。2カ月間の夏休みに、トレーニングや練習を続けた成果が出たと思います。一方で、レース序盤に前を走る成田亮選手を追走しようと試みたのですが、スピードが少し足らずに離されてしまったので、今後の課題も明確になりました。ヒート2では、せっかくトップを走りながら、追いついてきた新井宏彰選手を引き離そうとがんばっているときに転んで、順位を落としてしまいました。荒れた路面を攻略しきれず、もったいないレースとなってしまいましたが、終盤に追い上げられた点はよかったと思います。次は、さらに上を目指します」

■平田優(IA1・11位/2位)
「ヒート1は、走りのリズムは悪くない感じだったのですが、大集団の中で前を走るライダーと近づきすぎてしまって抜けず、反対にもっと順位を落とすことが多々ありました。本当に情けない順位でした。しかしヒート2では、悪かった点を修正することができたと思います。再びスタートで出遅れてしまいましたが、しっかりと追い上げを続けることができました。僕は今回から、2013年型CRF450Rをベースとした新しいファクトリーマシンに乗っています。これから熟成させたい部分もありますが、初戦で従来型と同じ成績は出せたので、今後が楽しみです。9月末は、国対抗戦となるモトクロス・オブ・ネイションズに、代表メンバーの一人として参戦します。こちらの応援もよろしくお願いいたします」

■井本敬介 TEAM HRC監督
「ヒート1は、中盤まで少しヒヤヒヤしましたが、成田が逆転で勝利しました。平田が中盤に飲み込まれたまま浮上できないという不本意な内容もありましたが、小方が今季初表彰台に登壇と、チームとしてはまずまずの成績を残せました。そしてヒート2では、序盤に小方と成田の1-2態勢という理想的な状態を築いたのですが、油断やあせりがあったようで、両者ともに転倒を喫してしまいました。しかし、チームとしてピンチのときに、今度は平田がしっかりと追い上げて2位入賞、小方も終盤に粘って4位まで順位を回復することができました。成田の勝利や小方の表彰台登壇といった収穫もあった一方で、さまざまな課題も生まれた大会となりました。今後はこれらを克服し、TEAM HRCでの表彰台独占を目指してがんばります。今季は残り2大会となりましたが、引き続き応援をお願いいたします」

■星野優位(IA2・2位/7位)
「今大会は、予選から乗れていない感じでした。意識しないようにしていても、チャンピオン争いに対する気負いがあったのだと思います。それでもヒート1は、夏休みに参加させてもらったHMJ名阪合宿の成果が出て、2位表彰台に上がることができました。しかしヒート2は、前を走っていた田中雅巳選手と三原拓也選手のペースに惑わされるような感じで、走りのリズムをつかむことができず、途中からは珍しく腕上がりの症状も出てしまい、ずるずると順位を落としてしまいました。とはいえ、ランキングトップとはたった2点差なので、気落ちする局面ではありません。気持ちを切り替え、残り2大会、4ヒートで勝てるときに勝って、長年お世話になっているチームにシリーズタイトル獲得で恩返しできるようがんばります」

■田中雅己(IA2・7位/2位)
「前大会直後に負傷し、治ってからマシンに乗り出してすぐに再びケガをしてしまいました。2度目のケガは今大会の2週間前で、しかもこの2カ月間はトレーニングすらほとんどできていない状態だったことから、出場するかどうかを3日前まで悩みました。しかし、これが年に一度の地元大会となるので、やはり応援してくれる方々に走っている姿を見せたいと思い、出場を決めました。ヒート1は、スタートで出遅れたことから1コーナーのマルチクラッシュに巻き込まれてしまったので、ヒート2はしっかりスタートを決めようと思って臨みました。最後は、やはり体力不足でペースが落ちてしまいましたが、地元で表彰台に立てたのでよかったです。1カ月間で身体のケアをしっかりして、次戦に臨みます」

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