事故に「想定外はない」という事実

先週の日曜日、また不愉快なバイク事故のニュースが飛び込んできた。以下、YOMIURI ONLINEより。
「29日午後1時50分頃、大阪府摂津市三島の府道大阪中央環状線で、本線を走行中の同府守口市京阪北本通、会社員玉屋芳博さん(52)のオートバイが、側道を逆走して本線に進入してきた車を避けようとして転倒した。玉屋さんは病院に運ばれたが、間もなく死亡。車は本線に進入後、Uターンして逃走した。摂津署は自動車運転過失致死と道交法違反(ひき逃げなど)の容疑で捜査している。発表によると、逃走した車はワンボックスタイプ。側道は中央環状線の本線から下りるためのもので、車は側道沿いの職業訓練センターの駐車場から入りこんだとみられる」
YOMIURI ONLINE

その後の報道によると、28歳の会社員が自動車運転過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の両容疑で逮捕されたが、容疑者は「側道を車で通ったが、オートバイと事故を起こしたことはない」と容疑を否認している。逃走した黒い軽ワゴン車の特徴などから、29日に現場近くの職業訓練施設で研修を受けていた赤司容疑者が浮上したという。

テレビのニュース映像も見たが、容疑者はおそらく側道に隣接する駐車場から、ショートカットして本線に入ろうとして、一方通行の側道を逆走したものと思われる。事故現場には逆走車を避けようとしたバイクのものと見られるブレーキ跡が黒々と長く残っていた。
今回のケースでは、ワゴン車とバイクは接触していないものの、警察は「容疑者が玉屋さんを救護せずに現場から逃げた」とみて、「ひき逃げ」などの疑いで捜査、逮捕に至った。現場は通行量も多く、目撃情報や道路監視カメラの映像がワゴン車特定の決め手になったようだ。

だが、もし現場が人通りも少なく監視カメラもない場所だったら、どうなっただろう。ヘタをしたら、ライダーの運転ミスによる単独事故として処理されていたかもしれない。そう思うとぞっとする。
クルマにしろバイクにしろ、普段から最大限の注意をもって安全運転に努めなければならないが、今回のように普通ではあり得ない“想定外の状況”が起きれば、どんなに本人が気をつけていても事故を免れない場合もあるだろう。でも、それでもなお、生き延びる方法を模索すべきだ。国や関係機関は、事故を誘発する道路の構造的な問題について研究する必要があるだろう。運転者は「危険予測」や「防衛運転」を徹底しなくてはならない。また、弱者たるバイクこそは、証拠映像を記録するドライブレコーダーなどの機器が必要なのかもしれない。それ以前に根深いのは、運転者のモラルの問題ではあるのだが。

Webikeニュース編集長/ケニー佐川

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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