バイク離れが止まらない!「二輪車市場動向調査」に見る危機

日本自動車工業会が、2011年度に実施した二輪車市場動向調査の結果によると、二輪車市場が直面している長期的な需要減少に関わる、「二輪車離れ」が一層進んでいることが明らかになった。
 
二輪車新車購入ユーザーを対象にした調査では、高齢化(30代以下が減少し50代以上が増加)、新規ユーザーの減少(代替需要が過半数で若干上昇。新規購入は減少傾向)、駐車場不足(「駐車場で困った経験」は特に都心部で7割以上)、意欲の低下(今後の「継続乗車意向」の減少)などの特徴が顕著になった。
 
二輪車の需要台数は1999年度に85万6千台と100万台を割って以来、緩やかな減少を続けてきたが、ここ数年はリーマンショック以降の景気低迷の影響などを受けて激減、2009年度はついに42万5千台と50万台を割っている。

二輪車離れの主な要因として、
 
●原付第一種(50cc以下)では、「利用用途がなくなった(通勤・通学など)」「退職した・仕事をやめた」「就職・転職した」「電動アシスト自転車の購入」など。

●原付第二種(50〜125cc)では、「出先の駐車場で困った」「自宅の駐車場で困った」「二輪車が盗難にあった」「二輪車で駐車違反の摘発を受けた」「退職した・仕事をやめた」など。

●軽二輪車(126〜250cc)では、「自宅の駐車場で困った」「体力に自信がなくなった」「一緒に出かける友人や仲間が少なくなった」「他の楽しみで二輪車に乗る時間がなくなった」「出先の駐車場で困った」など。

●小型二輪車(251〜400cc)では、「仕事が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」「生活が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」「他の楽しみで二輪車に乗る時間がなくなった」「一緒に出かける友人や仲間が少なくなった」「出先の駐車場で困った」など。

●小型二輪車(401cc〜)では、「子どもができた」「二輪車の維持費」「仕事が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」「生活が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」「周囲の反対が大きくなった」など。
 
これらの結果から、排気量別によってバイク離れの理由にも特徴がはっきりと表れていて興味深い。学生や通勤での使用が多い原付では、就職や転職を機にバイクに乗る機会を失ったケースも多いようで、電動アシスト自転車への移行も目立つ。
特に原付2種では、手軽なコミューターのはずが駐車スペース不足によって不便を感じて降りてしまった様子が見てとれる。
また、軽2輪から小型2輪へいわゆる中型からビッグバイクへと排気量が大きくなるに従って年齢も高齢化。趣味性の高いこれらのクラスでは、働き盛りになるにつれ、仕事や家庭に時間とお金を割かざるを得ない苦しい状況が見えてくる。
 
[二輪車ユーザーの特性]では、
男女ともに「50代以上」が最も多く年々増加傾向にあり、2011年度では51%と半数を占めた。
一方で、全体では「30代以下」は減少傾向が続いている。 平均年齢は、全体では48.5歳と前回より1.1歳上昇。特にオンロード401cc以上では前回に比べ2.5歳と大きく上昇している。
また、女性比率はスクーター50cc以下で減少している一方で、オンロード126〜250ccで8%から18%へ増加しているという結果が出た。
また、中古車への関心の高まりも目立っている。中古車購入者を新車購入ユーザーと比較すると、全排気量において年齢的には30代、40代、そして再度購入(リターンライダー)の割合が高い。中古車購入理由としては、「予算内で買えるタイプ・排気量の二輪車を探していた」「新車を買う経済的な余裕がないから」「中古車だと新車より取り扱いに気を遣わず楽だから」など。
 
長引く経済不況の中、なんとか身の丈に合ったバイクライフを続けたいと願うユーザーの姿が浮かび上がってくる。
この先、日本では二輪車の需要を下支えする10代、20代、30代の人口が将来に向かって減少傾向となり、2021年度は2011年度比で、10代が14.1%、20代が11.0%、30代が20.9%減少すると予想されている。
 
ここ数年は経済的に余裕のある熟年ライダーが増え続けるだろうが、いずれ彼らもバイクを降りるときがくる。
そして後を継ぐべき若者はどんどん減っていくという悲惨な状況。
バイクだけでなく多くの業界で同じような状況に直面していると思うが、これを乗り越える策はあるのだろうか。
 
過去を振り返って嘆くだけでは始まらない。この暗雲から抜け出すためには、きっと何か途方もない「イノベーション」が必要だと思う。
バイクを愛する皆の力で、それを探していこうではないか。

Webikeニュース編集長/ケニー佐川

[総合ニュース]
2011年度二輪車市場動向調査について
https://news.webike.net/overallDetail.do?news_id=2178

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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