「マスの集中化」について考える

バイク用語で「マスの集中化」という言葉を聞くことが多いと思います。
マスとは重量のことで、重いものを車体の重心付近に集めることです。
軽量化と共に運動性能を高める最も効果的な手法と言われ、ニューモデルのカタログなどにはこの言葉が並ぶことになります。
 
しかし何故、マスを集中化するといいのでしょう?
重いモノほど動かしにくく、一度動き始めたら止めにくいことは経験上お分かりと思います。

たとえば、長い棒に重りをつけて振り回していると想像してみてください。
同じ重りでも、それが手元近くにあるのと棒の先端にあるのとでは当然、動かしやすさが変ってきますよね。野球でバットを長く持てば長打力は上がりますが、短く持ったほうがジャストミートさせやすいのと感覚的に似ているかもしれません。
重量物が支点から遠いほどコントロールしにくくなってしまうわけです。
 
ほとんどのバイクでは重心は最も重いパーツであるエンジンの近くにあります。逆に重心から遠い末端にあるパーツほど軽くしたいわけです。カウルなどの外装やホイールやブレーキなどのパーツを軽量化したり、マフラーをコンパクト化するのも、すべてマスの集中化と関係しています。
 
マスを集中化させることで、バイクを倒し込みやすくなったり、加速・減速時の姿勢制御がしやすくなったり、外乱を収束させやすくなったりします。
つまり、バイクにとっていいことづくめなのです。
 
つい先日、これを実感する機会がありました。スズキのニューモデル「V-Strom650 ABS」に試乗したのですが、エンジンや車体はほとんど従来どおりにもかかわらず、ハンドリングが見違えるように軽くなっていたのです。
開発者に聞くと「外装を中心に軽量化を進めたことで、結果的にマスの集中化がもたらされたことが大きいのでは」とのことでした。難しい物理の法則なども、実際に体験すると納得できるものですね。
 
最近は自分の腹まわりにも「マスの集中化」が見られますが、これは運動性能を著しく低下させているようです。
そう考えると、いいことばかりではないようですね(笑)。

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