EVによるモータースポーツが現実的になってきた

モータースポーツにも電動化の波が押し寄せている。メーカーが作る電気自動車(EV)の団体や各サーキット主催の電動車両によるレースが今年から本格化しそうである。

エコカーによるレースがにわかに盛り上がっている背景としては、街中でもハイブリッド車(HV)がすでに珍しい存在ではなくなり、レースに興味を持つモータースポーツファン層が、環境に優しいエコカーを受け入れ始めたこと。自動車メーカーがHVやプラグインハイブリッド(PHV)、EVの市場投入に本腰を入れ始める中で、イメージアップと製品拡販のための企業戦略として取り組み始めたことが挙げられるという。

「レースは走る実験室」と唱えた本田宗一郎の言葉を借りるまでもなく、実戦を通じて技術開発を進める場としての意味も、もちろんあるだろう。また、早ければ2013年から4輪レースの最高峰、F1でもEVによるレースが開催されるという計画も動き出しているらしい。具体的な今後のEVレースの詳細については下記、外部リンクを参照してほしい。

ここまでは4輪の話。翻って2輪の場合はどうだろうか。

環境技術やセーフティデバイスを例にとっても、4輪の後追いになることが多かった2輪だが、EVに関してもやっと小型実用モデルやスクーターから市場導入され始めたばかりである。一部のサーキットなどでは電動バイクを主役にしたエコレースを企画したりもしているが、実際のところイベントとして成り立つまでにはまだ時間がかかりそうだ。

ただ、海外に目を転じると、マン島TTレースの「TT Zero」クラスように伝統格式のある大舞台で電動バイクだけのカテゴリーでレースが成立している。今年も日本人としてただひとり参戦表明している、松下ヨシナリ氏が昨年はチームプロッツァのEVレーサーを駆り、参加18チーム中5位完走の快挙を成し遂げたことは記憶に新しい。また、今年は「TEAM無限」がTTチャンピオンの実績を持つ、ジョン・マクギネスを起用して優勝を目指すという、エキサイティングなニュースも舞い込んできている。

もちろん、こうしたトップエンドのEVレーサーはすべて一品もののプロトタイプである。EVによるモータースポーツを皆が楽しめるもっと身近なものするためには、量産スポーツモデルの市販化が待たれるところだ。環境負荷が少なく、クリーンで静かなEVへの期待は大きい。メーカーにはぜひ頑張っていただきたいと思う。

Webikeニュース編集長/ケニー佐川

◆外部リンク
「モータースポーツにも電動化の波」(日経電子版)
(写真:テクノアソシエーツ)

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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