MotoGP「CRTクレイミング・ルール・チーム」って何だ!?

2012MotoGPシーズンに向けて今週からマレーシアのセパンにおいてオフィシャルテストを開始。各チームはニューマシンの調整に全力を注いでいる。その中でCRT(クレイミング・ルール・チーム)という一団が別の場所でテストをしている。

CRTという聞きなれない言葉だが、これは市販車ベースのエンジンをオリジナルのシャーシに搭載したマシンのことで、いわばMoto2の大排気量版のようなイメージだ。ご存じのように2012年からは最高峰クラスのレギュレーションが変り、エンジン排気量が再び1000ccにアップされたことも新ルールと深く関係している。つまり、WSB(スーパーバイク世界選手権)のコンストラクターから、すでに実績のある熟成されたエンジンの供給を受けられることを意味しているのだ。現在、BMW からS1000RRのエンジン供給を受ける「フォワード・レーシング」やアプリリアRSV4のエンジンを搭載する「アスパル」、ZX-10R用を使う「BQR」、CBR1000RRベースの「ホンダ・グレシーニ」などがCRTとして参戦表明している。

その背景にはMotoGPの活性化がある。プロトタイプマシンを前提とした従来ルールでは、潤沢な資金と開発力を持つファクトリー、およびファクトリーマシンをリース提供してもらえる有力サテライトチームしか参加できないのが実情だった。ちなみに昨年のMotoGPクラスのエントリーは9チーム16台、とレースとして成立できる最小レベルといっていい。それが今年は14チーム21台体制に増えて、ようやく見応えのあるレースが戻ってくると期待される。

性能的に不利なCRTにはアドバンテージが与えられ、タンク容量24ℓ(ファクトリーは21ℓ)、エンジンは年間12機(同6機)その他有利な条件で戦えることになっている。つまり、「燃費を考えずに極限までエンジンをぶん回せる」ということだが、現状を見る限りまだファクトー勢との実力差は歴然としている。ちなみにCRTの本命の一角であるアスパルが先日バレンシアで、RSV4エンジンベースのマシンで公式テストを行ったが、昨年のMotoGPマシンのベストラップからは約3秒落ちのタイム。CRT勢にとって今年1年は試練の年になるはずだ。

かつてWGP500ccクラスで、ハリスやROCといったフレームビルダーによる傑作マシンを駆る若き天才ライダーがファクトリー勢に迫る走りを見せてくれたように、CRTから次代を担う新しいスターが誕生することを期待したい!

CRT&Moto3クラス合同テスト:R.ドプニエが1分34秒台に進出
https://news.webike.net/worldDetail.do?news_id=17686

Webikeニュース編集長/ケニー佐川

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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