[HONDA] JRR Rd.5 SUGO JSB1000は秋吉耕佑が4連勝飾る!高橋巧がきん差で続く2位

宮城県に位置するスポーツランドSUGOで、東日本大震災以降で初めての全日本ロードレースとなる、全日本ロードレース選手権第5戦が開催されました。夏休みのインターバルを終え後半戦へと突入し、タイトル争いの行方を占う上でも重要な戦いとなります。

JSB1000には、昨年全日本を卒業した伊藤真一が被災地にエールを送ろうと、「F.C.C.TSR Honda がんばろう宮城」というチームで参戦しました。当初は予定されていなかった伊藤の参戦ですが、多くのファンからの要望が後押して実現しました。体制は開幕戦の鈴鹿2&4参戦時と同じく、秋吉耕佑(F.C.C.TSR Honda)のTカーを借りての参戦となります。伊藤は、大会一番の注目を集めてレースに挑むことになりました。

金曜日に行われたフリー走行は、雨が降ったりやんだりの不順な天候に加え、濃霧のためにスケジュールが大幅に変更されました。J-GP2、 ST600は走行できませんでしたが、他クラスは午後には走りだしました。しかし、路面はウエット、天候もいつ変化するかわからない状況での慎重な走行となり、タイムアップは土曜日へと持ち越されました。

前日の影響で土曜日のスケジュールも大きく変更され、JSB1000はノックアウト方式を採用する予定でしたが、計時予選でグリッドが決まることになりました。落ち着かない空模様で小雨がぱらつく天候となりましたが、JSB1000の予選時は晴天となり、路面温度も40℃近くまで上昇、完全なドライコンデションとなりました。

秋吉は、これでまでスケジュールの都合で事前テストに参加することができませんでしたが、今回は事前テストに参加、好調を維持したアタックにより、トップに躍り出ました。伊藤は、そのタイムを上回ろうとアタックに飛び出しますが、届かず4番手。急きょ決まった参戦だけに、満足な事前テストができなかったこともあり苦戦しました。秋吉は3戦連続のPP獲得、2番手に加賀山就臣(スズキ)、3番手に高橋巧(MuSASHi RT ハルク・プロ)、4番手に伊藤、5番手に中須賀克行(ヤマハ)、6番手に柳川明(カワサキ)と続きます。

決勝のホールショットは秋吉、スタートダッシュを決めた加賀山が2番手、以下、中須賀、高橋、柳川、伊藤のオーダー。秋吉はファーストラップから、 2番手加賀山に1秒のアドバンテージを築き、さらに2ラップ目には2秒と差を広げてトップを快走しました。高橋は3番手中須賀、2番手加賀山をかわして2 番手に浮上。伊藤は5ラップ目のシケインで柳川をとらえ、5番手に浮上しました。

秋吉は快調にラップを刻み、2番手高橋との差を3秒とします。3番手は加賀山、4番手は中須賀、伊藤、柳川で争われ、8ラップ目に伊藤が中須賀をパス。高橋はトップ秋吉に迫り、コンマ5秒ずつその差を詰めていき、13ラップ目には1秒8と2秒をきります。ペースアップして差を広げようとする秋吉に対し、高橋もペースを上げ、18ラップ目には両者の差は1秒をきりました。

バックマーカーをうまく処理した高橋が、秋吉の背後に迫りましたが、23ラップ目を走行中、バックマーカーに3コーナーから4コーナーで阻まれ、その差を広げてしまいます。秋吉、高橋はコンマ差のまま最終ラップを迎え、高橋は各コーナーで仕掛けますが、パスすることができませんでした。最後の勝負所であるシケインに飛び込みますが、バックマーカーが秋吉との間に入ります。秋吉はそのまま逃げきり、うれしい4勝目のチェッカーをくぐり抜けました。僅差の2位に高橋、3位に加賀山、4位に伊藤となりました。

ST600のPPはタイからスポット参戦のチャロンポン・ポラマイ(ヤマハ)。決勝ホールショットは横江竜司(ヤマハ)ですが、ポラマイと、同じくタイからスポット参戦のデチャ・クライサルト(ヤマハ)にかわされ、3番手に。きん差で山口辰也(TOHO Racing MOTOBUM)、中冨伸一(ヤマハ)、横江、小林龍太(MuSASHi RT ハルク・プロ)がトップ集団をつくりました。

山口はペースアップして3位に浮上、ポラマイ、クライサルトを追います。シケインでクライサルトが転倒して山口は2番手に浮上し、1分32秒台にペースアップしてポラマイを追い詰めます。3番手には単独で中冨。13ラップ目、シケインで山口がポラマイをとらえトップ浮上。山口、ポラマイ、中冨のオーダーとなります。中冨がペースアップして3台のトップ争いへと発展します。山口はトップを死守しますが、最終ラップでポラマイがバックストレートで山口を抜き去り優勝。2位に山口、3位に中冨、4位に追い上げた渡辺一馬(Kohara Racing)が入りました。小林は6位でチェッカーを受けました。

J-GP2は、PPは中上貴晶(MuSASHi RT ハルク・プロ)。スタートで飛び出したのは関口太郎(Team TARO PLUS ONE)で、すかさず中上は関口をとらえトップ浮上。前に出てからは、いつものような一人旅を演出し、ひたすらタイム更新を目指して走り続けました。今回はGP250のレコードに迫る1分29秒台にタイムを入れようと周回を重ねましたが、目標タイムには届きませんでした。ですが、2位関口に20秒近い差をつける独走優勝で3勝目。2位に関口、今回からMD600へとマシンを変更した山口辰也(TOHO Racing)が健闘して3位に入りました。

J-GP3は山本剛大(Team NOBBY)がPPを獲得。不順な天候の予選を制してのトップ、昨年優勝を飾ったSUGOで連覇に挑みます。ホールショットは山本、それを仲城英幸 (Project μ 7C HARC)、大久保光(18 GARAGE RACING TEAM)、渡辺陽向(Project μ 7C クルーズ)、藤井謙汰(F.C.C.TSR Honda)が追い、トップ集団を形成。仲城がファーストラップを制してレースをリードしますが、団子状態のトップ争いは激しく順位を入れ替える攻防戦となります。

仲城と藤井のトップ争いをピタリと3台がマーク、その差はコンマ差。藤井は仲城をとらえて前に出ますが、仲城はすかさず抜き返すといった具合で、注目のマシンNSF250Rを駆る2人が激しく首位を争います。その隙を突こうと山本、大久保、渡辺も迫ります。山本はスパートし首位を奪いますが、すぐさま仲城が前に出て抑えます。さらに藤井が山本をとらえ、トップの仲城を追撃しようとします。

10ラップ目のオーダーは仲城、藤井、山本、渡辺、大久保。1分36秒台をキープするトップ争いはセカンド集団をグイグイと引き離しました。その5 台の戦いが変化したのは14ラップ目。勝負を賭けた大久保が4コーナーで転倒し、仲城がそのあおりで転倒。上位陣は3台となりましたが、同じ周に山本が SPで単独転倒。トップ争いは藤井と渡辺による同い年の17歳高校生対決となりました。

何度か順位を入れ替えながら最終ラップを迎え、渡辺がシケインで一気に勝負に出ましたが一歩届かず。藤井は首位を守り抜き、10%勾配を駆け上がると初優勝のチェッカーを受けました。予選9番手からトップ争いに加わり、NSF250Rをデビュー2戦目にして勝利に導いた高校生ライダー藤井に賞賛の拍手が贈られました。2位に渡辺が入ったことで、NSF250Rは1-2フィニッシュを飾りました。3位には、ベテランの菊池寛幸(WHEELIE・ KoharaR)、徳留真紀(Team Alliance & HARC-Pro.)との激しい争いを制し、17歳の山田誓己(TEAM PLUS ONE)が入りました。表彰台はHondaが独占、3人が高校生というフレッシュな顔ぶれとなりました。

コメント

秋吉耕佑(JSB1000 優勝)
「朝のフリー走行でマシンのセッティングを変えたのですが、いい感触を得られなかったので予選の仕様に戻しました。仕上がりとしては50%、納得できる状況に持っていくことができないまま決勝になりました。バックマーカーの処理に苦戦して、ライダーがからむとラップタイムが落ちてしまい、巧(高橋)との差が詰まってしまいました。なんとか乗りきったというレース内容です。この状況でも勝つことができてよかったと思います」

高橋巧(JSB1000 2位)
「スタートが課題です。中盤、後半とタイムを上げていく追い上げのスタイルを変えていきたいと考えています。今回もがんばったのですが、うまくいきませんでした。ですが、秋吉さんの後ろまで迫れたので、少しは成長できたのかなと思います。最終ラップのシケインで勝負したかったのですが、バックマーカーがからんで、どうしようもありませんでした。次のオートポリスでは、絶対に前に出ることができるようにがんばります」

伊藤真一(JSB1000 4位)
「予選のセッティングから大きく変えて決勝に挑みました。賭けに出た、勝つための選択でしたが、うまくいきませんでした。思うようにペースが上げられず、声援に応えることができなくて申し訳ないと感じています。それでも、今ある状況の中で、力を出しきりました。結果には満足できていませんが、地元のSUGOを走ることができたことは感謝しています。本当にうれしかったです。みんなの声援も聞こえましたし、精一杯の走りを見てもらうことができました。ありがとうございました」

中上貴晶(J-GP2 優勝)
「スタートでフロントを浮かせてしまい出遅れてしまいましたし、目標タイムの1分29秒台に届かなくて残念です。1分31秒台に3回も入ってしまったことも悔しいです。次は、目標タイムに届くようにがんばります」

山口辰也(ST600 2位、J-GP2 3位)
「ST600の2位はHonda勢のトップを守れたので納得しています。J-GP2では勝負するためにモリワキや、パーツ関係の人たちに無理をしてもらい、MD600を準備したのですが、シェイクダウンがレースウイークになり、霧の影響で走ることができず、ぶっつけ本番の予選になってしまいました。その予選も不順な天候と、マシンを詰める状況がつくれず、ふがいないレースとなってしまいました。急いで準備してもらったと思うと、申し訳なくて恥ずかしくなります。次戦には勝負できるレベルに仕上げてチャレンジします」

藤井謙汰(J-GP3 優勝)
「予選順位が悪かったので表彰台にたどり着けるのかなと思っていましたが、トップを狙える位置につけたことで、落ち着いて走ろうと自分に言い聞かせながら走りました。仲城さんと大久保君が転倒して、その後方にいた山本君も転倒してしまったことには気がつきませんでした。レース終盤になって振り返ったら渡辺君しかいなかったので、5台のバトルよりは楽になったと思いました。今年は元世界チャンピオンの坂田和人さんが監督として見てくれています。坂田さんは『謙汰は決勝になるとスイッチが入る』と言うのですが、今回はそのスイッチが入ったのではないかと思います。優勝できてうれしいです」

渡辺陽向(J-GP3 2位)
「初めての表彰台はうれしいですが、やはり2位は悔しいです。最後の3ラップが勝負だと思っていましたが、藤井君を抜ききるところまでは、マシンの仕上げや自分の技量が足りなかったのだと思います。次は、絶対に負けないようにがんばります」

山田誓巳(J-GP3 3位)
「トップ争いから離れてしまい、ベテランの方々と夢中でバトルをしていたので、順位がわからなくなっていました。レースが終わってピットに戻ろうとしたら、スタッフに止められて表彰台に連れていかれ、初めて 3位になったことを知りました。予選も悪かったので、表彰台に上がれるなんて考えてもいなかったので、すごくうれしいです。NSF250Rは速いけれど、自分が乗っているRS125Rも速いので、勝負できます。次はトップ争いをして勝ちたいです」

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