[YAMAHA] WGP Rd.11チェコ ロレンソ4位、スピース5位

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、それぞれ4位と5位を獲得。ロレンソはグリッド2列目から絶好のスタートを切ってレースをリードしたが、小さなミスで3位に後退。その後トップに立ったD・ペドロサが転倒したことで一旦2位に浮上するも、ライバルたちよりも柔らかめのタイヤを選択していたことが影響してペースを上げることができず順位を下げた。最後の数周では、グリップ不足に苦しみながらも前を走るM・シモンチェリとの差を詰める健闘を見せ、最終的にはコンマ7秒届かず4位でチェッカーを受けた。

一方のスピースは、依然として腕にしびれを感じて万全の体調ではないなか、力強くペースを維持して懸命の走り。スタートでひとつ順位を下げて5位につけたあと、そのまま22ラップを走り切った。終盤ではロレンソとの差を徐々に詰め、1.5秒差でゴールした。この結果、ロレンソはランキング2位をキープし、トップにストーナーを32ポイント差で追う。スピースもランキング6位をキープ。5位のペドロサまで1ポイントと、4位のV・ロッシまで9ポイントと接近している。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズは、予選8位からスタートし、そのポジションを守り切って8位を獲得した。非ファクトリー・ライダーのトップ。午前中に行われたウォームアップ・セッションではトラクション不足が感じられたため、決勝前にジオメトリーを変更してフロント、リアともにグリップ感が向上。しかしそれをラップタイムに反映することができず、懸命にトライにもかかわらず最後まで前を行くN・ヘイデンとの差を詰めることができなかった。これで8ポイントを獲得してランキング9位。

一方、チームメイトのC・クラッチローは不運な結果。トップテンを目指して戦っていたが、7ラップ目、H・バルベラをパスして10位に上がった直後の第1コーナーで転倒、戦列を離れた。幸い怪我はなかった。

コメント

J・ロレンソ選手談(4位)
「フロントタイヤがベストチョイスではなかったんだ。昨日の午前中と午後の公式予選で試したときには、とてもフィーリングが良くてペースが安定していたんだけれど、今日はコンディションと気温が変わって、それがうまく機能してくれなかった。2周目に入った頃からすでに、コーナーのたびにフロントが滑ってしまうような感じだったので、4位から順位を上げていくのは難しかったよ。チャンピオン争いはますます厳しくなってきたけれど、まだ終わったわけじゃない。

まだポイント獲得の可能性が残っているから、これからはできるだけ多くのレースで勝つことに集中していかなければならない。今日はシーズン最悪、そしておそらく僕のモトGPキャリアの中でも最悪のレースになってしまったけれど、このことは早く忘れて次に臨みたい。明日は1000ccマシンを試すのを楽しみにしている。そして今の800ccエンジンもさらに改良していきたい」

B・スピース選手談(5位)
「ハードな戦いだった。何度も止めたいと思ったほど。全力を尽くして頑張って、とくにミスもおかさなかった。でもバレンティーノが後ろに迫ってきたときにはチャンピオンシップのポイントのことも考えてしまって、その気持ちを振り払おうと、ひたすら前を目指して走り続けたよ。幸い、転倒もなく順位を守り切ることができた。今は左腕ではなくて右腕がだめになってしまっているんだ。左腕をかばって、すべてを負担してしまったからね。素晴らしいマシンを作ってくれたチームに、もう一度ここでお礼を言うよ。間違いない表彰台を獲得できるマシンだった。それから腕を診てくれた医師たちにもね。体力的には最も厳しいレースだったけれど、もう終わったんだ。そして貴重なポイントを手にすることができた」

W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「今回はケイシーがあまり調子が良くないようだったし、ホルヘが好調だったので、好結果を期待していた。昨日の時点では柔らかめのタイヤがとても良かったので、それを選択したが、今日は状況が変わってしまってまったく逆の結果になった。ホルヘは1分57秒台を出すことができなかったのだ。非常に奇妙なことだが、これが現実。ホルヘはブレーキングとリーンで苦労することになった。今は前を向いて行こう。トップとの差が32ポイントをあるので、これを埋めていかなければならない。次のインディアナポリス、そして残りの7戦をあきらめずに戦い続ける」

M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンの成績には驚かされた。ウォームアップを終えた時点で彼は非常に不安がっていて、12ラップか13ラップくらいしか走れないのではないかと感じていた。ところが最後まで懸命にプッシュしてポジションを守り通した。楽な戦いでなかったことはよくわかっている。それだけ彼は素晴らしい仕事をしたのだ。ホルヘのほうは残念ながら期待通りにはいかなかったが、まだシーズンは終わっていないので次に向けて準備をしていくだけ」

C・エドワーズ選手談(8位)
「昨日の時点で、もし予選順位をキープしてゴールできればハッピーだと話したよね。だから今日は満足しているけれど、決して楽な戦いではなかったよ。僕自身は、僕にできることはすべてやったと確信しているけれど、それでも8位がやっとだったんだ。今朝のウォームアップではトラクションがゼロ。だから決勝前に少しジオメトリー変更を行って改善できたはずだった。グリップ感は確かに上がっていたのに、それがラップタイムにつながらず、依然として午前中と同じ。ピットボードに書かれていたのは、58.5、58.5…これがおそらく14ラップくらい続いたんだ。あまりにも変わらないから、ボードが壊れちゃったんじゃないかと思ったほど。

いずれにしても僕自身、それ以上速く走ることができなくて、ライバルたちと比べると、やはりトラクションが足りなかったようだ。リアを何度もスピンさせてしまったので、マシンは今頃、怒っているかもしれないね。レース中はほとんどずっと、ニッキーの後ろについていたんだけれど、何もすることできなかった。ラップタイムが全然、上がらないのだから、差を縮めることはできないよね。彼のほうがグリップ力で優れていたということではなくて、ふたりが同じペースだったから近づけなかった、そういうことだと思うんだ」

C・クラッチロー選手談(リタイア)
「僕ほど落ち込んでいる人は他にいない。また転倒してしまうなんて最低だ。このところ厳しい状況が続いているけれど、僕にできることは、ただひたすらマシンの上に体を伏せて、チームのみんなと協力しながら、未来のためにすべてをかけて頑張ることだけ。今はフロントエンドのグリップに悩んでいて、まるで迷路にはまってしまったような感じ。

第1コーナーでブレーキをはなし、アクセルを開けていこうとしたらフロントが切れ込んだ。転倒だけはしたくなかったのに、それをやってしまった。チームやヤマハに本当に申し訳なく思っているけれど、彼らは、僕が好成績を目指してベストを尽くしていることを、わかってくれていると思う。明日はマシンテストがある。タイムにしばられずに走る機会は貴重なので、フロントの信頼感を取り戻せるようにすべての力を注ぎたい。今も自分自身を信じている。次のインディアナポリスこそ好成績を狙う」

H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム・チームマネジャー談
「今日のレース展開は、ラグナセカのときと少し似ている。コーリンが素晴らしい走りを見せて、我々は好成績を期待した。彼は初めから終わりまでプッシュし続け、最後まであきらめずにニッキーにプレッシャーをかけていった。これほどまでに激しく攻めながら、しかもコンスタントにペースを守り続けた彼に感謝したい。カルについても私は、常に理解し、支え、助けようとしてきたが、彼はいくつかの理由でフロントのフィーリングを信じることができない。レースというものは、ある部分では自分自身やライディングスタイルをマシンに合わせていくことも必要だ。転倒で完走できない状態が続くのでは、モトGPを学ぶ1年目のやり方としては正しくないと思っている。誰も責めるつもりはないが、これからどのように彼をサポートしていくべきなのかしっかり考えなければならないだろう。シーズン序盤の強さを見れば、彼の能力はよくわかっている。だからあの頃のレベルに戻ること。できれば少しでも早く、次のインディアナポリスから始めたい」

辻 幸一、MS開発部 モトGPグループリーダー談
「予選2番手からスタートしたロレンソ選手がオープニングラップを制するも、ラップタイムを維持するのが精一杯のレースで、最終的に4番手でチェッカーを受けました。チームメイトのベン選手は左腕に違和感があったものの、最後まで渾身の走りを見せ5番手でのチェッカーとなりました。ロレンソ選手は朝のウォーム・アップ走行では良いペースで走ることができていただけに非常に残念な結果です。明日はここブルノサーキットに残りテストを行います。このテストで各種パーツを評価します。まだ十分トップに追いつける位置におります。次回のインディアナポリスGPでは表彰台の真中に立つべくチーム一丸となって頑張ります。引続き皆様のご支援とご声援をお願いします」

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