[YAMAHA] WGP Rd.7オランダ B・スピースがMotoGP初優勝

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB・スピースがMotoGP初優勝。チームメイトのJ・ロレンソは開始直後転倒するが驚異的な追い上げて6位でゴール。モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズは7位、C・クラッチローは14位だった。

レースはドライ・コンディションで行われたが、コース上には雨雲が広がり、気温はわずか13度に留まっていた。午前中の雨の影響もあり路面温度が低く、グリップレベルに不安があったなかでの決勝となった。予選2番手フロントロウ発進のスピースが好スタートで飛びだす。1コーナーを終えてスピースとロレンソがワンツー。直後にM・シモンチェリ(ホンダ)がロレンソをパスするや転倒。これにロレンソは巻き込まれるかたちで転倒したが、すぐマシンを起しほぼ最後尾から追い上げを開始する。

先頭に立っていたスピースは、1周目から既に2.5秒の差を2位につける。後方にはA・ドビツィオーゾとC・スト-ナー(いずれもホンダ)が追う展開。まもなくストーナーが2番手に上がる。トップのスピースはその後リードを拡大、3周目には約4秒差をつけて独走体制に。中盤以降も安定したペースでトップを守り、結局ストーナーに約7秒差でゴールしMotoGP初優勝を飾った。 一方のロレンソはマシンに問題がないことを確認すると、トップグループ同等のハイペースで追い上げ6位となった。

エドワーズとクラッチローはフロントにソフト・コンパウンドを選択して好スタートを切った。クラッチローは1ラップ目終了時点で4位につける好調ぶり。15日前に骨折した左鎖骨の痛みを感じながらも序盤からスピードを上げ、C・ストーナーやA・ドビツィオーゾを追い、V・ロッシをも追い詰めていった。しかしその後フロントのグリップが低下してペースを上げることができなくなり後退。それでも6位以内獲得の目標を達成するために懸命に食らいつき、 11ラップまでそのポジションをキープしたが、タイヤの状況がさらに悪くなったため13ラップ目にピットに戻りタイヤ交換を行った。本来のポテンシャルを取り戻したクラッチローは順調にハイペースをキープし、14位まで挽回してチェッカーを受けた。

一方のエドワーズもフロントのグリップに悩まされた。スタート直後はクラッチローやロッシとの差を縮めていったが、フロントのトラクションが徐々に低下してペースを上げられなくなり、17ラップ目でついにN・ヘイデンに抜かれて6位に後退。これに追い打ちをかけるように、腕上がりの症状も出て厳しい状況。懸命にポジションをキープしようとするもかなわず、最終的には7位でゴールした。腕上がりの症状は、カタルニアでの転倒でダメージを受けた肋骨周りの筋肉をかばっていたことが原因と考えられている。

コメント

B・スピース選手談(優勝)
「なんだかとても不思議な気分。今回はこれまでで一番気持ちよく乗れたと思ったら、優勝という結果がついてきたんだ。スクリーンが少し見えたので、シモンチェリの転倒は知っていたよ。とてもマシンの感触がよかったので、最初からプッシュして後続を引き離した。ケイシーが追い上げてきたが、あとコンマ数秒は余裕があって、常にいいペースをキープすることができたんだ。50周年のスペシャル・カラーが、少しプレッシャーになっていたんだけれど、それが好結果に転じた。僕もベストを尽くして頑張ったけれど、チームのみんなも素晴らしいマシンを作るために大変な努力をしていた。そのおかげでこうして優勝することができた!みんなに感謝しているよ」

J・ロレンソ選手談(6位)
「もちろんシモンチェリだって僕をはじきだそうと思ったわけじゃないだろう。でも彼は、このクラスで、このようなタイヤで戦うリスクをしっかり認識していないんだと思う。過去の経験や、ダニとの交流のなかでいろいろ学んできたはずだが、実はそうではなかったんだ。それでも何とかポイントを獲得できたことは良かったよ。僕自身は好調で、いいペースで走れていたからね。ランキング争いでは厳しい状況になってきてしまったけれど、これからはいつも優勝を狙っていくしかない。
今日はセッティングを変更して安定性が増したので、ブレーキングをよりハードに、よりディープに行うことができた。この調子なら次のムジェロはいい戦いができるだろう。今日のベンみたいにね。彼には心から、最大の祝福を贈りたい。それから僕のために懸命の作業をしてくれたチームのみんなにお礼を言いたい」

W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「非常にタフなレース。気持ちは複雑だ。うれしいこともあったが、同時に我々はシモンチェリの行動にとてもがっかりしているのだ。レースのなかのアクシデントではあるが、そのなかでは極めてつまらないものだったと思う。その一方でベンのほうは、この50周年を記念するレースで優勝を果たすことができて本当に良かった。心から祝福する。ホルヘがこの栄誉を手にできなかったことは気の毒だったのだが、再スタート後は素晴らしい追い上げを見せてくれた。ふたりの活躍でヤマハのマシンのスピードを再確認することができた。どちらも表彰台を狙っていくだけの力は十分だ。」

M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンの走りは本当に素晴らしかった。完璧なモトGP初優勝。彼を誇りに思うよ。ウイーク初日からずっと好調で、安定して速さをキープしていた。その様子を見ていて、今日は必ず素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるという確信があった。しかもヤマハのグランプリ参戦50周年を祝うこのレースでの優勝というわけだから、いつも以上に特別の意味がある。また、彼のチームクルーたちが毎日、懸命に作業を行い、この優勝マシンを作り上げたこともここで話しておかなければならない。ホルヘのほうは非常に残念だった。あの転倒は彼のミスではないからだ。しかしそのあとはすぐに再スタートして見事な追い上げを見せ、真のワールドクラスのライダーの力を証明した。今日のふたりは明暗を分けることとなってしまったが、次のムジェロではさらに一歩前進して、また優勝を狙っていく」

C・エドワーズ選手談(7位)
「厳しいレースだった。正直なところ完走できただけでも良かったというところだ。とてもフィーリングが良くて、バレンティーノやカルとの差を縮めていくことができたのだけれど、第2コーナー進入でフロントが切れ込んだ。あの時点では僕がプッシュしたせいだと思ったんだけれど、次のコーナーでも同じことが起きて、そのあとは本当に難しい状況になってしまったんだ。カタルニアの怪我で上半身の力がなくなっていて、それを助けるために腕に頼っているから、 10周くらいすると腕上がりの症状が出てしまう。しかも、ときには両方が重なってどうしようもなくなり、ピットインも考えたほど。でも何とか歯を食いしばって、最後には少しのポイントを獲得することができた。でも、ベンはフロントにソフト・コンパウンドを履いて優勝しているのだから、何が問題だったのかこれから分析する。セッティングが完全に違っているというわけでもないので、ブリヂストンとも話をしなければならないだろう。いずれにしてもベンには脱帽。ウイークを通して素晴らしい仕事をしたよ」

C・クラッチロー選手談(14位)
「良かったことを考えれば、好スタートを切ることができたし、最初の数ラップはモトGPで初めて上位に近いところを走ることができた。バレンティーノを抑えられる自信があったけれど、5、6ラップもするとフロントタイヤの右側がうまくいかなくなってしまったんだ。もうピットインしか方法はなかった。そのままプッシュし続ければ転倒してしまうような状況だったので、最悪の結果を避けるためにピットに戻ってタイヤを交換した。1週間前に骨折箇所の手術をしたばかりだから、また転倒なんてことになったら大変だからね。このような問題がなければ、きっと4位を獲得できたと確信しているよ。結果はこのようなことになったけれど、スピードをアピールすることができたし、僕がこのクラスのトップと戦えるということを証明できたと思う。望んでいたような成績を実現することはできなかったけれど、もうこれを変えることはできない。それより今回もたくさんのことを学ぶことができたので、次のムジェロで好成績につなげられるよう集中していく」

辻 幸一、MS開発部 モトGPグループリーダー談
「非常に難しいコンディションの中、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのベン・スピース選手が見事に表彰台の真ん中に立ってくれました。モトGP キャリア2年目ながら堂々たるレース運びをしてくれたと思います。モトGP初優勝に素直におめでとうと言いたいですね。一方、チームメイトのロレンソ選手ですがスタート後のアクシデントに巻き込まれながらも諦めない走りで最後尾から6位まで追い上げる見事な走りを見せつけ、しっかりとポイントを積み重ねることができました。引続きレースは次週イタリア/ムジェロサーキットで開催されます。引続き皆様のご声援を宜しくお願いします」

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