[YAMAHA] JMX Rd.1 怪我や大震災を乗り越え第1ヒートで成田が復活の勝利!

東日本大震災の甚大な影響を考慮し年間スケジュールが変更となり、約1ヵ月半遅れでの開幕となった全日本選手権。そしてその舞台となったのが、YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T.の成田亮が、昨年の第9戦、公式練習中に転倒して脛骨を骨折しチャンピオン争いを断念することとなった中国大会。成田にとっては、怪我からの復帰、そしてリハビリ、さらに地元宮城でも起った大震災を乗り越えて、まさに復帰といえる大会となった。
また、昨年YZ250Fを駆りIA2クラスのチャンピオンを獲得した小島太久摩が、今シーズンは市販YZシリーズの開発を行うMPDY(モトクロスプロダクション・デベロップメント・オブ・ヤマハ)の一員となり、YZ450Fを駆りIA1に参戦した。

多くのモトクロスファンの注目の中で行なわれた第1ヒート。スタートは田中教世(カワサキ)、増田一将(ホンダ)、熱田孝高(スズキ)が並ぶように第1コーナーを通過。成田はその後方4番手あたりで1コーナーを回る。
1周目を終えると、田中、熱田、成田、増田、新井宏彰(カワサキ)、小島太久摩の順位となり、序盤は順位の入れ替えはあったもののこのトップ6が一列になって、大きな動きのないままレースを進めていく。
そして8周目に入るとレースが動きだす。2番手をキープしていた成田が田中を攻略してトップに浮上。すると新井も田中をかわし、さらに成田も捉えてトップに立つ。しかし、成田も新井のペースに一人続いて接近戦に持ち込むと、13周目に逆転。ところが順位が変わっただけで状況は変わらず、この状況のままラストラップの最終コーナーまでもつれ込むが、成田は新井を押さえ込み、会心の勝利で完全復活を高らかに宣言した。2位は新井、3位は田中となった。
また小島は6番手から、昨年のIA1チャンピオン熱田をプッシュ。5番手を目の前にしながら攻めきれず、逆に中盤以降は後方から追い上げを許して順位を下げたものの、2006年以来の最高峰クラスのレースを8位でゴールした。

第1ヒートから一転、第2ヒートはヤマハライダーをアクシデントが襲う。まず、スタート後の第1コーナーを過ぎたジャンプでマルチクラッシュが発生し赤旗で中断。しかもそのなかに小島太久摩が含まれており、リタイアとなってしまう。
2回目のスタートでは、小島庸平(スズキ)がホールショット。成田はこれに続く2番手とし、2周目に入るとトップに立ってレースをリードする。レースは第1ヒートと同様に序盤から接近戦となり増田、そして新井の2人が成田のペースに食らいつき、3人が約1秒の中でのバトルを繰り広げる。
しかしレース中盤、激しいプレッシャーの中トップを守ってきた成田に今度はアクシデントが発生する。1コーナー後に待ち受ける巨大なジャプの着地で転倒。大事にはならなかったが、6番手に後退。その後すぐに5番手に上がったものの、上位の4人には追いつけず、そのまま5位でフィニッシュした。優勝は新井、2位は増田、3位は熱田。成田は表彰台を逃したものの総合成績では2位となった。

併催されたIA2ではMPDYから尾崎友哉が参戦。第1ヒートは1周目を10番手とし、さらに中盤までに11番手に順位を落とす。しかし、ここから本領を発揮。疲れを見せる上位陣をじりじりと追い上げてポジションアップし最後はヤマハ最上位となる9位でフィニッシュした。優勝は三原拓也(カワサキ)、2位は稲垣佳樹(スズキ)、3位は島崎大祐(スズキ)。
第2ヒート、尾崎はスタートで出遅れ1周目を終えて21番手あたり。一方ヤマハトップは12番手の渡辺学。尾崎は序盤こそなかなか順位を上げられなかったが、10周目には18番手、さらにラストラップまでに15番手まで順位を上げ、渡辺とのマッチレースとなるが、これを制して15位でフィニッシュし総合では12位となった。優勝は三原拓也(カワサキ)となり、2位は山本鯨(スズキ)、3位は星野裕(スズキ)。
なお、IBクラスから昇格したばかりの安原志が、第1ヒートで今年のルーキーで最上位となる12位として初ポイントをゲット。さらに第2ヒートではヤマハトップの13位でフィニッシュし、総合成績では尾崎に続く13位で開幕戦を終えた。

また、レディスには昨年ランキング2位の安原さやが参戦。2008 年からこのクラスで3連覇中の益春菜(ホンダ)をターゲットに決勝に臨んだ。
しかし、2月の怪我で本格的に練習を開始したのが4月と万全ではなく、その影響もありスタートで14番手として7番手まで順位を上げたが、その後はペースが上がらず7位となった。なお優勝はデフェンディングチャンピオンの益となった。

次回の全日本選手権・第2戦近畿大会は、名阪スポーツランド(奈良県)で6月11・12日に開催される。

コメント
成田亮選手談(1位/5位:総合2位)
「久々の全日本ということで、楽しみと緊張が入り交じった不思議な感覚だった。ただ一番頭にあったのは怪我をしないこと。怪我したときはライバルたちのことを意識しすぎて自分の走りを見失ってしまったということがあったので、自分の走り、自分の戦い方を貫くことを意識して決勝に臨んだ。第1ヒートはできればトップに立ってぶっちぎりたかったが、新井選手が乗れていたので接戦になってしまった。ただ前に出すと離されると思ったので、インを固め、とにかく前に出さないように心掛けて走った。
第2ヒートは、転倒した時は正直ドキッとしたが、何もなかったので良かった。でもやっぱり悔しい。散水したコースが赤旗中断の間に乾き、セッティングが若干ズレてしまったのだ。ただ長いシーズンなので、すべてが万全でもこういったことは起りうるもの。しかし繰り返さないことが大事なので、今日のことを肝に命じ、次回の名阪に臨みたい」

湯浅将司監督談(YSP香川社長)
「今回はハードパックの苦手なコース、さらに昨年の怪我から久々の全日本ということで、どういったレースになるのか読めないところもあった。しかし第1ヒートはチームとしてはハラハラドキドキの展開だったが、観客の皆さんには抜きつ抜かれつのデッドヒートで最高の展開だったのではないだろうか。第2ヒートは、優勝後の転倒ということで残念だったが、最後まで集中力を切らすことなく走り抜きマイナスを最小限に抑えてくれた。これからのシーズンの中できっと大きなポイントになることだろう。最後に、今年はチャンピオンの奪回、そして成田選手の地元である東北に力を与えるためにも、チーム一丸となってがんばっていくので、期待そしてたくさんの応援をいただければと思う」

臼井秀和チームマネージャー談
「今年は全日本チャンピオン奪還。そして成田選手の国際A級における100勝という2つの目標を持ってシーズンに入った。成田選手は昨年の怪我の後、精力的に治療を行ない、体作りも早い段階からスタートさせた。渡米するなどで走り込みも上手くいって万全の状態でこの開幕を迎えることができた。第1ヒートは、マシンとライダーすべてが機能し、チームとしては勢いのつく理想的な勝ち方ができた。第2ヒートは赤旗中断の間に散水した路面がもとの乾いた状態に戻ったため、セッティングにズレが生じたことで、転倒につながったのかも知れない。でも転倒後も攻めることができ、十分なポイントを獲得できた。今日は100点とはいえないが、次につながる良いスタートになったことは確かだ」

IA2:尾崎友哉選手談(9位/15位:総合12位)
「チームのミッションは市販YZの開発だが、自分としては、今シーズンはフル参戦となり、マシンのポテンシャルをしっかりとアピールしていくこともまたミッションと考えて成績も意識して開幕を迎えた。でも近年は怪我などでレースから離れている時間が長かったこともあり、いざ本番になるとスタートから3周目まではレースとしての走りできず、後半に入って感覚を取り戻すような感じだった。シーズンは長いので、これから徐々にレースモードの走りを取り戻し、開発だけでなく成績でもYZのポテンシャルを証明できればと思う」

レディス:安原さや選手談(7位)
「今シーズンはチャンピオンという意識は高いのだが、2月に膝のじん帯に怪我を負い、本格的に練習を始めたのが4月と、準備段階で大きなロスを背負ってしまった。それだけでなく怪我への恐怖心もまだ払拭できておらず、意気込みとは裏腹に不甲斐ないレースになってしまった。今後は体調面よりもまずは心を改善することが大切。ゆっくりでも前進していき、名阪では自信をもって臨みたい」

関連記事

編集部おすすめ

  1. 冬の美浜町を楽しめるチャリティーイベント いろいろな乗り物に乗ったサンタクロースが愛知県の…
  2. 話題のニューモデルが集合! カワサキモータースジャパンは12月9日から10日の二日間、大阪…
  3. 【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】 カワサキ往年の名車、Z1をオマージュした新…
  4. ヤマハ発動機は、フロント二輪※1のオートマチックコミューター「TRICITY(トリシティ)1…
ページ上部へ戻る