[KTM] WMX Rd.1 ブルガリア ファクトリーKTMチームが絶好のスタートを切る!

2011年モトクロス世界選手権(MX)の幕開けを告げる第1戦ブルガリアGPは、2011年4月10日、過酷なコンディションで知られるセヴリエヴォで開催された。

レッドブル・テカKTMファクトリーチームのケン・ロクツェン(ドイツ)は、2回のヒートともに圧勝し、存在感を強くアピールした。

2010年MX2シーズンをランキング2位で終えたロクツェンは、今季からKTMファクトリーチームに迎え入れられた。いわばファクトリールーキーであるロクツェンは、両ヒートともにホールショットを奪うと、危なげなく勝利への道を突き進んだ。しかも、ヒート1では直近のライバルに14.66秒の差をつけ、さらにヒート2ではそのマージンを21.4秒まで拡大。ヨーロピアン・モトクロスのオフシーズンとなる冬の間、米国のAMA SXライツに参戦して経験を積んだ結果、持ち前の才能と実戦経験が相乗効果を発揮して、ゲート・トゥ・ウィンの鮮やかな勝利に繋がったと考えられる。

ケン・ロクツェン
レース後のロクツェンは、「とにかく前に出て、自分にできることをやろうと思っていた」と、ウィナーズインタビューの口火を切った。「我ながらすごいレースだったと思う。とても嬉しい。スタッフ全員が素晴らしい仕事をしてくれた。これからもずっと今日のように走りたい」と続けたロクツェンは、4月25日にファルケンスファールトで開催されるオランダGPについても、「ベストを尽くす」と決意を新たにしている。

ジェフリー・ハーリングス
チームメイトのジェフリー・ハーリングス(オランダ)も、上々のスタートを切った。ヒート1では、ずっと2番手を走行していたものの、終盤にポジションを落として5位フィニッシュした。ヒート2では、余裕の3位入賞。これにより、ブルガリアGP終了時点でランキング3位につけることができた。

レース後のハーリングスは、今回の目標が総合2位だったことを認め、さらに自らのパフォーマンスに満足していないことを口にした。「今後のためにスピードアップを図りたい。まだあまりレースに参戦していないので、気持ちも身体も“レースモード”になっていない。できるだけ早いタイミングで、モードを変える必要がある。今年の目標は、安定したパフォーマンスを発揮して、選手権ランキング2位か、3位になること。ファルケンスファールトは、僕にとって地元GPであり、優勝が臨まれていることも分かっているが、その期待には“全力を尽くす”という言葉で応えたい」とハーリングス。昨年は、KTMファクトリーチームのルーキーとして、地元ラウンドで優勝を遂げている。

ジェレミー・ファン・ホーレベーク
KTMファクトリーチーム第3のライダー、ジェレミー・ファン・ホーレベーク(ベルギー)は、トップ5フィニッシュを狙ったものの、今回は6位にとどまった。ポイントでは5位ザック・オズボーン(米国)とタイだったが、ヒート2の順位を優先して総合順位を決めるレギュレーションにより、惜しくも6位となった。

「今週末はもう少しいいリザルトを期待していた。でも、開幕戦としては上出来だと思っている」とファン・ホーレベーク。「両ヒートともスタートはよかったが、一貫してリズムが掴めなかった。6、5位フィニッシュは悪くはないが、複数の課題が残されていることも確かだ」。砂路面のファルケンスファールトは自らの好みではない、と認めるファン・ホーレベークだが、チームボスのステファン・エヴァーツの指導の下、砂地トレーニングを重ねてきたため、個人的に次戦には期待している、と付け加えた。

ピット・バイラー(KTMモータースポーツ統括責任者)
「ライダー全員がしっかりとトレーニングを重ねて、体力的にも十分にレースを戦えるレベルに仕上げてきてくれた。シュテフィ(ライアー:WMX GPウィナー)とケンが優勝し、ジェフリーも表彰台に上った。新たなシーズンを素晴らしい形でスタートできた」。

ステファン・エヴァーツ(ファクトリーチーム統括責任者)
「ケンの仕事は素晴らしかった。両ヒートで優勝しただけでなく、ライバルを完全に圧倒した。(シーズンオフに)米国のSXライツに参戦し、好リザルトを残した。ただし、SXライツとMXにはかなりの違いがある。にもかかわらず、それにも上手く対応したようだ。2週間後のオランダGPは、ジェフリーの地元イベントだ。もともと砂面が得意な“サンドライダー”だし、今回も表彰台に登壇した。次戦では、これを上回るリザルトを残してくれるだろう」。

MX1:マックス・ナグル、トニ・カイローリがともにポイントを獲得

レッドブル・テカKTMファクトリーレーシングは、MX1クラスではMX2と同等のリザルトは得られなかったものの、マックス・ナグル(ドイツ)、トニ・カイローリ(イタリア)ともにポイントを獲得した。

ブルガリアのセヴリエヴォは、とりわけオーバーテイクが困難なサーキットとして知られており、KTM勢もその影響を被ることになった。ナグルは、ヒート2のレース中に飛び石が当たってゴーグルが破損。「裸眼で走っているのとほとんど同じ」状態ではダートの土埃の侵入が防げず、著しい視界不良に見舞われた。今後はスタートを改善する必要がある、と認めながらも、KTM 350 SX-Fと自分のパフォーマンスには概ね満足できる、と明るい見通しを述べた。(これまでナグルは、450 SX-Fに騎乗。)

マックス・ナグル
「3位と同ポイントながら表彰台に立てなかったのは悔しいが、チャンピオンシップを考えれば、今回の獲得ポイントで良しとしよう。350でもかなり走れたので満足だし、レースを重ねればマシンにも慣れるから、もっと良くなるはずだ。次の戦いは、砂で有名なファルケンスファールトだ。自分の本拠地であり、好きなトラックでもある。昨年も悪くなかったから、今年もいいレースを期待している」。

カイローリは、開幕戦の結果には失望しているとコメントした。ヒート1中に膝を負傷したものの、大事には至らず、ヒート2にも元気な姿を見せた。

トニ・カイローリ
「このトラックはオーバーテイクが困難なので、スタートが重要なポイントだった。昨日の予選レースはそれほど悪くなかったが、今日のヒート1は我ながらいただけない。何とかオーバーテイクして5番手まで順位を上げた後、ゴンカルヴェス(ルイ:ポルトガル)をパスしようとしたときに路面に膝を打ち付けてしまった。以前負傷した箇所と同じだったので、かなり不安になった。レース中も強い痛みを感じたので、7位フィニッシュという結果になった。医師の診察を受ける予約を取ったが、その後、痛みもほぼ治まってくれたので、ヒート2に出場することができた。スタートはヒート1より良く、ほとんどホールショットを奪えるかというところだった。第1コーナー侵入時では、確か3番手だったと思う。目の前でフィリペルツ(ダヴィド:イタリア)がクラッシュしたが、距離が近すぎて回避できなかったために、20位か、21位までポジションを落としてしまった。その後はポジション回復に努めて、どうにか10番手まで戻すことができた。ファイナルラップでは、9位を狙ったが、オーバーテイクできなかった」。

ピット・バイラー
「マシンも良く、チームは素晴らしい仕事をした。ライダーもシーズンインに合わせて、身体を作ってきた。いいシーズンを送る基礎は固まっている、と言っていいだろう。MX1ではもっと良いリザルトを期待していたが、非常に競争の激しいクラスなので、今日のようなことも十分にあり得る。言い訳をするつもりはない。チームとしてのウィークポイントもわかっている。スタートに若干失敗し、さらにレース中にもいくつかミスを犯した。ファルケンスファールトでは、今日以上のパフォーマンスをお見せしたい」。

ステファン・エヴァーツ
「トニには優勝を期待していた。昨日の予選レースの状態も良かったし、スピードも十分だった。今日は膝を負傷したが、両ヒートを完走してポイントを獲得できたことが幸いだ。彼は絶対にやり返してくれる。マックスは、350にスイッチして間もないが、いい意味で私を驚かせてくれた。長年450に乗っていたので、350への適応は簡単ではなかったに違いない。しかし、非常にアグレッシブなパフォーマンスを披露した。まだ完全な状態ではないにもかかわらず、あれだけ走れるのだから、今後に大いに期待したい」。

WMX:シュテフィ・ライアーが完全勝利

ウィメンズ・モトクロス世界選手権(WMX)ディフェンディングチャンピオンで、レッドブル・テカKMTファクトリーレーシングに所属するシュテフィ・ライアー(ドイツ)がWMX GP開幕戦で圧倒的な力を見せつけた。ヒート1を大差で勝ち切ると、ヒート2でも余裕の勝利。早々とチャンピオンシップリーダーの証し、レッドプレートを手中に収めた。

シュテフィとライバルの実力差は、予選レースから明らかだった。レース本戦では、路面が乾き切っていた上に風が強く、ダスティなコンディションに見舞われたものの、ゲートオープンと同時に飛び出し、そのままチェッカーを受けた。ヒート1では、2位リヴィア・ランセロ(フランス)に18秒近い大差をつけ、ヒート2では、10秒のマージンを持ってファイナルラップを迎え、スローダウンしてチェッカーを受ける安全策。しかし、2位との間には3秒強のギャップが存在していた。

今シーズンもシュテフィがこのクラスの主役であることは間違いないだろう。

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